書いてあること
- 主な読者:結果を出す良いチームを作りたいが、なかなかうまくいかない管理職
- 課題:リモートワークでコミュニケーションが減り、これまで以上に難しくなっている
- 解決策:情報共有を徹底することが、良いチームを作るための基本
1 情報はチームの血液のようなもの
会社ではさまざまなシーンでチーム活動が行われます。上司の皆さんが部下と協力してクライアントに提案することもチーム活動ですが、「提案の目的・内容、クライアントの意向」などの情報が共有されていないとチームワークが乱れ、良い結果につながりません。つまり、
情報はチームの血液であり、スムーズな「情報共有」が重要
です。リモートワークが進んだり、チャット前提のコミュニケーションが普及したりしている現在、チームの情報共有はこれまで以上に重要な課題になりました。
皆さんはチームのリーダーの立場ですが、もし、「チームがうまくいっていない」と感じていたら、この記事を読んでみてください。チーム内において情報共有する上で大切なポイントを紹介していきます。
2 チーミングは最初が肝心!
1)リーダーズインテグレーションとは?
リーダーが最初に行うのが「リーダーズインテグレーション」です。リーダーズインテグレーションとは、
チームが形成された直後に行う“情報共有のためのキックオフミーティング”
です。
チームの進化過程を示した「タックマンモデル」によると、チームは形成してもすぐには機能せず、混乱と統一のフェーズを経験します。形成当初の混乱は、情報格差から生じがちです。まだ情報の伝達ルールが整っていないので、「他のメンバーは知っているのに、私には情報を与えられていない」と、不公平感や臆測が生まれやすいのです。そこで、リーダーとメンバーが最低限の情報を共有するために、リーダーズインテグレーションが必要になるのです。
2)リーダーズインテグレーションの際の注意点
リーダーズインテグレーションで大切なことは、メンバーが「知っているはず」だという先入観を持たず、素直に自分が知りたいことと、メンバーに知ってほしい情報を共有することです。例えば、「自分はせっかちな性格である」などと伝えます。また、メンバーには、
- チームについて知っていること、聞きたいこと
- リーダーについて知っていること、聞きたいこと
を挙げてもらい、それにリーダーが答えることで心理的安全性を確保します。
3)リーダーのコミットメント
リーダーズインテグレーションで、皆さんはメンバーにコミットメントをします。これにより、皆さんがリーダーであることをメンバーに知らしめ、基本的なルールを共有することができます。コミットメントの例は次の通りです。
- 快適なチーム活動を約束する
- 常にリーダーとしての威厳を持って活動することを約束する
- メンバーの業務状況、家庭生活に配慮することを約束する
- 時間厳守を約束する(無駄に活動を長引かせない)
- 定期的に活動の進捗を伝えることを約束する
- 中立な立場で指揮を執ることを約束する
- 独断しないことを約束する
- チーム活動を周囲の雑音から守ることを約束する
- チーム活動の責任はリーダーである自分が負うことを約束する
- 正当な権利は、リーダーである自分が上司と交渉することを約束する
3 「ジョハリの窓」を意識した情報共有
チームが動き始めてからの情報共有については、「ジョハリの窓」を参考にします。心理学者のジョセフ・ルフトとハリー・インガムが考案したもので、両者の氏名に由来して「ジョハリの窓」と呼ばれます。コミュニケーションにおける気付きのモデルとして有名ですが、チームの情報共有にも応用することができます。
互いのことは活動を続けるうちに分かってきますが、コミュニケーションをサボると「開放の窓」が広がりません。そこで、
- リーダーが、チームに関する全般的な情報を積極的に共有して、「隠された窓」を小さくする
- メンバーから質問や指摘を受けて、「盲目の窓」(問題点)を小さくする
ようにしていきましょう。
以上(2024年1月更新)
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画像:pixabay