書いてあること
- 主な読者:もっとビジネスで数字を活かしたいビジネスパーソン
- 課題:数字を活用する際の考え方が分からない
- 解決策:把握、記録、共有、分析、予測、提案・説得、目標設定・計画立案を意識する
1 数字はもっと仕事に活かせる
日ごろ何気なく使っている数字ですが、「把握」「記録」「共有」「分析」「予測」「提案・説得」「目標設定・計画立案」という7つを意識することで、今よりも使いこなすためのヒントが得られます。7つの関係は次の通りで、把握、記録、共有は基本、分析、予測、提案・説得、目標設定・計画立案は数字の応用といった位置付けになります。
この記事では、数字を仕事に活かすための基本的な考え方とポイントを紹介します。
2 数字の基本的な活用のポイント
把握、記録、共有でポイントになるのは、正確性・客観性・網羅性を担保することです。正確でない数字、客観性のない数字、網羅性のない数字では、正しい把握や分析はできません。
1)把握
数字を見ることで、現状がきちんと把握できます。IoTなどの発達によって、さまざまな情報を数値化できるようになりました。
2)記録
把握した数字を記録し、いつでも検索できるようにしておきます。こうしておけば、後述する数字の分析や共有がしやすくなります。記録の際は、「どのような分野、項目の数字か」「何のために活用する数字か」に基づいて整理するとよいでしょう。
3)共有
共有は記録の延長にありますが、ただ数字だけを共有するのではなく、数字から分析された結果も共有することに意味があります。売上が上がっているという抽象的な話ではなく、「Aクライアントとの取引内容が~のように変化し、その結果、対前年比で150%に増加した。今後の見通しは?」といったように伝えることで、認識を共有しやすくなります。
3 数字の応用的な活用のポイント
続いて、数字の応用的な活用となる分析、予測、提案・説得、目標設定・計画立案についてのポイントを紹介します。人間の主観や判断を盛り込みながら数字を活用するのですが、だからこそ思い込みを排除して数字を素直に受け入れる必要があります。
1)分析
分析することで、把握した数字にどのような意味があるのか、数字全体にどのような傾向があるのかなどを発見できます。分析の基本は、記録した数字と照らし合わせて、過去や別の対象と「比較」することです。別の対象との「大小」や、過去からの「変化」、多くの対象の「区分」、別の対象との相関関係などの「関係性」などから傾向をつかみます。
2)予測
把握、分析した結果を基に将来の予測を立てることができます。最も分かりやすいのは、時間に比例して数量が増えているものが、将来も同様の伸び率で増えると予測することです。ただ、将来的に同じ傾向が続くとは限らないので、どういった要素が加わると伸び率が減少していくのかといったことにも目を向けて予測を立てましょう。
3)提案・説得
分析や将来予測といった数字の根拠があれば、社内外の交渉相手に提案や説得をするのに役立ちます。また、その際の数字の見せ方も重要です。図表やグラフを使い、内容を詰め込み過ぎないようにしましょう。ただし、数値の恣意的な見せ方には注意が必要です。例えば、折れ線グラフや棒グラフは、縦軸のとり方によってグラフの変化が大きくも小さくも見えます。
4)目標設定・計画立案
最後は目標設定・計画立案です。目標や計画を掲げることで、今後の行動計画が決まります。目標や計画を数字で示すと、達成状況が明確になりますし、未達の場合は原因の分析および改善方法の提案にもつながっていきます。
以上(2021年12月)
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