QUESTION
物流・運送業の2024年問題とは何ですか?
ANSWER
2024年4月1日から、時間外労働の上限規制が自動車運転業務にも適用されるようになりました。
解説
時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年960時間(休日労働を含みません)を限度に設定(1か⽉の時間外・休⽇労働時間数、1年の時間外労働時間数)する必要があります。
・⾃動⾞運転の業務に関しては、特別条項付き協定を締結する場合の時間外労働の上限は年960時間(休日労働は含みません)となります。
・時間外労働と休日労働について「月100時間未満」「2〜6か⽉平均80時間以内」とする規制は適用されません。
・「時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6か⽉まで」の規制は適⽤されません。
さらに、トラックドライバーには、労働時間と休憩時間とを合わせた拘束時間、勤務間のインターバルである休息期間、運転時間などを規制する改善基準告示も適用されます。
【1日の拘束時間】13時間を超えないことを原則とし、最大でも15時間
【1年・1月の拘束時間】年3,300時間以内、月284時間以内
【1日の休息期間】11時間以上を基本とし、9時間を下回らない
【運転時間】2日平均1日9時間以内、2週を平均して1週当たり44時間以内
<改善基準告示違反にならない例・2日平均1日9時間要件>
10時間運転の日(A)、9時間運転の日(B・基準日)、9時間運転の日(C)の場合
(A+B)/2=9.5時間
(B+C)/2=9時間
<改善基準告示違反になる例・2日平均1日9時間要件>
10時間運転の日(X)、10時間運転の日(Y・基準日)、9時間運転の日(Z)の場合
(X+Y)/2=10時間
(Y+Z)/2=9.5時間
<改善基準告示違反にならない例・2週平均1週44時間要件>
1週目運転時間44時間(A)
2週目運転時間44時間(B)
(A+B)/2=44時間
1週目運転時間40時間(C)
2週目運転時間46時間(D)
(C+D)/2=43時間
<改善基準告示違反になる例・2週平均1週44時間要件>
1週目運転時間50時間(X)
2週目運転時間44時間(Y)
(X+Y)/2=47時間
※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.93160
画像:Mariko Mitsuda