QUESTION
現場に形式的に責任者を置いて請負を行うのは合法ですか。
ANSWER
違法になります。
解説
書類上、形式的には請負(委託)契約ですが、実態としては労働者派遣であるものを偽装請負といい、違法です。
現場に形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は変わらないものも違法です。
請負とは、「労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法)」ですが、派遣との違いは、発注者と受託者の労働者との間に指揮命令関係が生じないということがポイントです。自分の使用者からではなく、発注者から直接、業務の指示や命令をされるといった場合偽装請負である可能性が高いと言えます。
偽装請負の代表的なパターンは、「代表型」、「形式だけ責任者型」、「使用者不明型」、「一人請負型」の4つです。
現場に形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じ場合は、「形式だけ責任者型」といいます。単純な業務に多いパターンです。
請負で働く場合、自分の使用者がはっきりせず、基本的な労働条件が確保されない場合には、まず都道府県労働局の需給調整事業関係業務担当窓口に相談すべきです。
※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.94120
画像:Mariko Mitsuda