QUESTION

解雇予告の取消しと解雇月日の変更は許されますか。

ANSWER

いずれも労働者の同意が必要となります。

解説

使用者は、一度解雇の予告をした以上は事情が変更したからといって、原則としてこれを取り消すことはできません。なぜならば、使用者の単独行為である予告を一方的に取り消し得るとすると、通知を受けた労働者の法律上の地位が極めて不安定な状態になるからです。
しかし、このような状態をもたらさない取消、換言すれば労働者の同意を得て取り消すことは差し支えないと解されています。
次に、解雇予告後の解雇月日の変更についてですが、労働基準法第20条第2項の予告期間の設定は必ずしも予告した当初のみに許されると解する必要はないとして、変更を認める説もあります。
しかし一旦特定された解雇月日を変更することは、その限りにおいて解雇予告の取消しとなるため、例え変更した日数に相当する予告手当の支払いがなされても労働者の同意がない限り、解雇月日を一方的に変更することはできないと解されています。
以上のように、解雇予告の法的性格から、予告の取消し及び予告後の解雇月日の変更については、いずれも労働者の同意があってはじめて許されるものであって、使用者が一方的になし得るものではありません。

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99040

画像:Mariko Mitsuda

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