書いてあること
- 主な読者:2024年に賃上げをするか否かについて悩んでいる経営者
- 課題:賃上げの判断が難しい。他の企業がどうするつもりなのかも知りたい
- 解決策:重要な判断基準は自社の業績。賃上げで使える助成金なども検討
1 賃上げするか否かを判断するための情報
連日のように話題となっている賃上げ。2024年に経営者が最初に下す重要な経営判断は「賃上げ」かもしれません。そこで、経営者317人を対象に、賃上げに関する緊急アンケートを行いました。
最初の質問は、賃上げをするか否かを判断するために重視する情報についてです。これは「自社の業績」が圧倒的に多くなっています。
2 2024年から賃上げする企業は31.9%
では、具体的にどれだけの企業が賃上げをするのでしょうか?
2024年から賃上げするという企業は31.9%、2~3年以内に実施するという企業は16.1%となっています。賃上げする企業が求めている情報は、助成金などに関する情報、社会保険料への影響に関する情報でした。少しでも賃上げの負担を軽減したいというところでしょう。
また、経営者が賃上げについて相談する相手は、顧問の税理士が最も多く、自社の取締役がこれに続きます。
賃上げを検討する際に参考となるリポートは以下の通りです。
3 どうやって、どの程度の賃上げをする?
賃上げの手法や賃上げ率はどうでしょうか。
賃金の範囲としては、基本給のみが最も多く、基本給の他に手当や賞与も上げるという企業が続きます。これまでは、基本給は上げず、手当や賞与を上げて対応する企業が多かったですが、2024年はそれよりも踏み込んだ賃上げを検討する企業が増えています。
具体的な賃上げ率は、2%以上と3%以上という回答が同率の首位でした。
賃上げの手法については、ベースアップで実施する企業が最も多く、定期昇給が続きます。両方を行うという企業も多く、やはり賃上げに本気で取り組む企業が増えている状況を垣間見ることができます。
賃上げをする際の参考や賃上げの方法に関するリポートは以下の通りです。
3 賃上げ「しない企業」の経営者が考えていること
これまでとは逆に、賃上げをしない企業の状況を紹介します。
なぜ、賃上げをしないのかについては、「業績の先行きが不透明だから」が圧倒的に多くなっています。前述した通り、賃上げをするか否かを判断するために最も重視される情報は「自社の業績」でした、はやり、業績が伴わない賃上げは難しいということでしょう。
どうなったら賃上げをするのかについては、これまで同様に業績が重視されていて、「業績好調が続くと確信できたとき」が圧倒的に多くなっています。
なお、賃上げに関するその他のリポートは以下の通りです。
以上(2024年3月作成)
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画像:Mariko Mitsuda