1 小さな運送業は労災が多い

運送業の現場では、トラックや配送車の長時間運転、荷物の積み降ろし作業、倉庫や配送センターでの重機(フォークリフト等)操作など、日常的に労災リスクが潜んでいます。大手運送会社や大規模物流センターでは安全管理の担当者が常駐し、健康管理や事故防止策が徹底されているケースが多いですが、小規模の会社の場合、人的リソースや設備投資が限られ、「対策不十分」「悪気のない労災かくし」などの問題が起こりやすいのが実情です。

労災発生件数

さらに近年、2024年問題(注)と呼ばれるドライバーの時間外労働規制強化により、長時間労働の是正や運行管理体制の見直しが一層求められています。納期圧迫や人手不足などの課題が重なり、「事故が起きても忙しくて労災手続きを後回しにしてしまう」「ドライバー本人に自己責任で処理させてしまう」といった状況が懸念されます。

「ウチくらいの規模なら何とかなる」「大した事故じゃないから健康保険でいいだろう」などと安易に判断すると、後々大きなペナルティーやトラブルを招く恐れがあります。以下の事例を参考に、正しい労災対応をいま一度確認していきましょう。

(注)2024年問題:働き方改革関連法の施行により、運送業のドライバーにも時間外労働の上限規制(年960時間)が適用されるようになる問題。業界全体で人手不足や長時間労働が常態化している中、対応が急務となっています。

2 小さな運送業で起きた労災の落とし穴「6選」

次のリンクから、現役社労士が直面した小さな運送業で起きた労災の事例をベースに、労災に対するよくある誤解を取り上げた記事をご覧いただけます(実際の会社が特定できないように省略したり、表現を変えたりしているところがあります)。

以上(2025年7月作成)

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画像:ChatGPT