書いてあること
- 主な読者:温浴施設の開業を検討する経営者
- 課題:現在の市場規模、開業に当たって注意すべき点が分からない
- 解決策:温浴施設数の推移や具体的な注意点を把握する
1 温浴施設の動向
1)温浴施設数の推移
厚生労働省「衛生行政報告例」によると、公衆浴場の施設数の推移は次の通りです。
衛生行政報告例では、スーパー銭湯を含む温浴施設は、「ヘルスセンター」「その他」に分類されています。「ヘルスセンター」「その他」の施設数は、ともに2014年度にわずかに増加しているものの、2013年度と比較すると2017年度は減少しています。
2)市場規模の推移
温浴施設の市場規模に関して、日本生産性本部が発行している「レジャー白書2018」を基に市場規模の推計を紹介します。温浴施設の推定市場規模の推移は次の通りです。
温浴施設の利用状況を見ると、「実際の参加者数」は2014年に大幅に増加したもののその後は減少しており、2017年は前年に比べわずかに増加しているものの、2013年と比較すると減少しています。
一方で、「年間平均費用」は2013年と比較すると2017年は増加しています。利用者数が伸び悩む中、多くの温浴施設で飲食メニューを充実させるなど、他店との差異化を図りながら、顧客単価を上げる取り組みが行われており、こうした取り組みが影響しているとみられます。
また、温浴施設の大手チェーンでは、軽食メニューや美容関連のサービスを充実させることで、若者や女性などの利用を促す取り組みを行っています。こうした取り組みの影響もあり、温浴施設の市場規模は年により多少の増減はあるものの、2013年に比べてわずかに拡大しているとみられます。
2 地域別温浴施設数の推移
厚生労働省「衛生行政報告例」によると、地域別温浴施設数の推移は次の通りです。
以上(2019年7月)
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画像:pixabay