活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
カーブでの走行は、スピード調整や視線の移動、ハンドル操作など複数の運転操作を適切に行う必要があります。
例えば、十分にスピードを落とさずカーブを曲がろうとすると遠心力が働き、車線を逸脱して対向車やガードレールなどに衝突する危険があります。
今回は、カーブ走行の危険性と安全運転について考えます。
1.カーブ走行の危険性
警察庁の統計をみると、カーブでの事故発生率は2.7%ですが、死亡事故発生率は14.4%と5倍以上高くなっており、カーブでの事故は重大事故につながりやすいことが分かります(図1)。
出典:警察庁「令和3年中の交通事故の発生状況」から当社作成
カーブでの死亡事故の事故類型別割合では、車両単独と車両相互が大半を占めており、さらに内訳をみると比較的衝撃力の大きい「工作物衝突」と「正面衝突」が突出しています(図2)、(図3)。
出典:警察庁「令和3年中の交通事故の発生状況」から当社作成
カーブ走行では以下の危険性があります。
◆カーブ走行では車に外側へ滑りだそうとする力「遠心力」が働きます。遠心力はカーブの半径が小さいほど大きく、速度の二乗に比例して大きくなります。
◆見通しの悪いカーブでは対向車や歩行者などの発見が遅れがちになります。死角にいる対向車や歩行者などが突然目の前に現れることも想定されます。
従って、十分にスピードを落とさずカーブを曲がると、重大事故を招くおそれがあります。
2.カーブの安全な曲がり方
センターラインを越えないように走行すること(センターラインのない場合は「キープレフト」走行)が基本です。遠心力を考慮して以下の運転をしましょう。
①カーブ手前で十分にスピードを落とす
カーブでは「スローイン・ファストアウト」走行が基本です。道路標識等に注意し、カーブに入る手前で十分にスピードを落とすことがコツです。
※左カーブでは自車の走行車線が広く感じ、スピードを出しがちになります。 スピードを抑えて対向車線にはみ出さないよう注意しましょう。
②視線をカーブの先に置く
カーブでの走行では「曲方指向」という錯覚が起きることがあります。
カーブの曲がる方向に視線が向き、その方向にハンドルを切って走行してしまう(カーブの曲がる方向に車が寄ってしまう)というものです。
※右カーブでは右側に視線が向き、道路の内側へ寄りがちになります。視線をカーブの先に置き、キープレフトを意識して走行するようにしましょう。
③ハンドル操作を緩やかに行う
カーブを曲がるときに急ハンドル・急ブレーキを行うと横滑りする危険があります。カーブに入る手前で十分にスピードを落としていれば、ハンドル操作を緩やかに行うことができます。
3.見通しの悪いカーブの運転
見通しの悪いカーブでは先の状況が把握しにくいため、見通せる範囲内で停止できるスピードで運転することが原則です。
駐車車両などがある場合は、対向車や自転車、歩行者などの存在や動きに注意を払い、危険を予測して運転しなければなりません。
夜間は、カーブに入る手前で前照灯を上向きに切り替えるか点滅させ、対向車などに自車の接近を知らせるようにしましょう。
カーブでは対向車がセンターラインを越えてくるかもしれません。
そのような場合でも事故を回避できるよう、カーブに入る手前で十分にスピードを落としましょう!
以上(2023年2月)
sj09063
画像:amanaimages