活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

車を運転中、気がつくと思った以上にスピードが出ていたという経験はありませんか。慣れた道だったので「つい」「うっかり」スピードを出してしまったということも珍しくないかと思います。しかし、スピードを出しすぎると交通違反の取締りの対象になるだけでなく、重大事故を起こす危険が高まります。

そこで、今月はスピードの超過について考えます。

スピードの超過に注意!

1.スピードを出すことの危険

交通事故統計によると、規制速度を超過した交通事故の死亡事故率は、超過しない交通事故の9.2倍となっています。速度超過での事故は、死亡事故になる確率が高まることがわかります。車の衝突による衝撃力は、スピードの2乗に比例して大きくなります。

また、スピードを出すと視力の低下や停止距離の延伸により、危険の発見が遅れる、危険の回避が難しくなるなどして、事故を起こしやすくなります。

交通事故統計

出典:警視庁Webサイト「速度管理の意義 適切な速度管理の必要性」」から当社作成
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/torikumi/sokudokanri/igi_hitsuyosei.html

◆視力の低下

スピードを出せば出すほど動体視力(動いているときの視力)は低下します。例えば、時速30km程度で走行しているときの動体視力は、静止視力(止まっているときの視力)の約60%程度といわれています。また、視野(見える範囲)も狭くなります。

視力の低下

◆停止距離の延伸

停止距離は、ブレーキが効き始めるまでの「空走距離」とブレーキが効いて車が停止するまでの「制動距離」を合計した距離です。空走距離はスピードに比例しますが、制動距離はスピードの2乗に比例して長くなります。例えば、速度が時速30kmから時速60kmへ2倍になると、停止距離は約3倍となります。

停止距離の延伸

2.スピードを抑えるには

運転者がスピードを出す要因として、次のような心理が考えられます。

◆運転の慣れ

車の運転に慣れると気の緩みや過信が生じやすく、スピード感覚も鈍くなります。また、慣れた道ではスピードを出してしまいがちになります。

◆急ぎの心理

人間のDNAには、「急ぐこと」が本能として刷り込まれているそうです。約束の時間に遅れそうで焦っていたり、前の車が遅くてイライラしたりすると「急ぎの心理」が顔を出し、無意識にスピードを出してしまいがちになります。

◆スピード感覚のマヒ

夜間は交通量が少なく、周囲の景色も見えにくいため、スピードが出ていないように感じます。また、広い道路を走行している場合や、他車と並走していて速度差が小さい場合は、スピード感覚がマヒしがちです。

◆スピードに挑戦する心理

「広い道路では思い切りスピードを出してみたい」「スピードを出すほど快感を感じる」といった心理で、特に若い運転者に多いといわれています。

スピードを出すことの危険を十分認識し、常に自分の運転ぶりを客観的にとらえ、上記のような心理状態に適切に対処できるよう自分をコントロールすることが大切です。

エコドライブを励行するなど小さな意識を習慣にすることで、スピードが抑えられ、交通事故の回避につながります。

エコドライブを励行

3.適切な速度管理

規制速度は、道路形状や交通量を踏まえて交通事故が起こらないように考えられた規制です。規制速度を遵守していれば、交通事故の回避や交通事故時の被害軽減にもつながります。

道路標識や道路標示の最高速度を意識し、こまめにスピードメーターをチェックするなどして、安全速度での運転を心がけましょう。

適切な速度管理

以上(2024年3月)

sj09107
画像:amanaimages

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