活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
年末が近づくにつれ何かと慌ただしくなると、車の運転も早く目的地に着こうと先急ぎ運転になりがちです。先急ぎ運転は、ちょっとしたことで焦りやイライラを感じ、スピードを出す、安全確認を疎かにするなど危険な運転行動をしてしまうため、事故を起こす危険が高まります。
これから年末に向けて事故を起こさないよう先急ぎ運転に注意しましょう。
1.「急ぎの心理」と先急ぎ運転
月別交通事故件数は、例年10月から12月にかけて増加傾向にあります。その一因として先急ぎ運転が考えられますが、その背後には「急ぎの心理」があると言われています。
出典:公益社団法人交通事故分析センター 令和4年版「交通事故統計年報」から当社作成
①「急ぎの心理」
太古から人類は、“急ぐこと”で外敵などの危険から身を守ったり、貴重な食料を獲得したりして生存競争を生き抜いてきました。そのため、人間のDNAには、“急ぐこと”が本能として刷り込まれているそうです。
例えば、運転中に誰かに追い越されただけで不快に感じる、それは「急ぎの心理」によるものと考えられます。
②先急ぎ運転の危険
目的地に早く着こうと急いでいる場面で、前にノロノロ運転している車がいたり、渋滞に巻き込まれたりするなどちょっとしたきっかけで、潜在している「急ぎの心理」が顔を出すと言われています。
「急ぎの心理」が顔を出すと無意識に先急ぎ運転になってしまいます。先急ぎ運転は、焦りやイライラの感情が生じやすく、危険な運転行動を誘発するため、事故を起こす危険が高まります。
<先急ぎ運転における危険な運転行動>
- スピードを出す。
- 前の車との車間距離を詰める。
- 無理な追い越しや割り込みをする。
- 注意が散漫になり、安全確認を疎かにする。
- 信号の変わり目に強引に交差点を通行する。
- 車線変更を繰り返す。
など
2.先急ぎ運転への対処法
目的地に早く着こうと先を急いでも、事故を起こしては取り返しがつきません。「急ぎの心理」になることで、事故の当事者とならないようにするための対処法をご紹介します。
◆先急ぎ運転の要因を作らない
運転するときは、時間に余裕を持って、早めに出発することを心がける。
約束の時間に遅れそうなときは、早めに先方へ連絡することを習慣づける。
◆「急がば回れ」を意識する
先を急いでも到着時間はさほど短縮されないと考える。先急ぎ運転は危険な運転行動につながることはあっても、決して得になることはないため、「急がば回れ」を意識する。
◆自分の運転特性を把握した運転をする
「運転適性診断」を受診し、自分の運転特性(運転のクセ)を把握する。性格面で感情的な傾向がみられる場合は、診断のアドバイスを踏まえて運転を見直す。
◆エコドライブを習慣化する
エコドライブを習慣化することによって、急加速や急減速などを減らし、「急ぎの心理」が顔を出したとしても先急ぎ運転になりにくくする。(日頃からエコドライブを実践する。)
3.運転中にイライラを感じたら
近年注目されている「アンガーマネジメント」に「6秒ルール」があります。
人の怒りのピークは6秒と言われており、「6秒ルール」とは、6秒をやり過ごすことで冷静さを取り戻すというものです。
6秒の間に深呼吸をしたり、あるいは子どもの名前やペットの名前などを口に出したりすると効果的です。
もしも運転中に焦りやイライラを感じたら、「6秒ルール」を試すことをおすすめします。
出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会「アンガーマネジメントイライラ・怒りのコントロール術」から当社作成
以上(2023年11月)
sj09094
画像:amanaimages