活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
今シーズンは「暖冬」と言われています。
とはいえ、季節は冬。路面の積雪や凍結が生じやすい季節です。突然の大雪で車が走行できなくなったり、急に気温が下がって路面が凍結し、スリップ事故を起こしたりするリスクがあります。
突然の積雪等に慌てないよう冬道への備えを行いましょう。
1.暖冬と走行リスク
今シーズンは暖冬の予想ですが、一時的に大雪となる可能性もあると言われています。また暖かい日が続くと冬道を走行する準備が遅れたり、気が緩んだりして事故につながるおそれもあります。
◆突然、大雪になった場合
夏タイヤでは、タイヤが雪にとられて前に進めない、坂道を登れない、脱輪するなど立ち往生するリスクがあります。幹線道路で立ち往生すると大渋滞を起こし、レッカー等の救援も期待できません。
出典:国土交通省「直轄国道における降雪による通行止め及び立ち往生実績(平成27年度)」
から当社作成
暖冬だった2020年は、12月に関越自動車道で2,000台超の大規模な立ち往生が発生しました。大雪の場合は、冬タイヤでも立ち往生するリスクがあり、チェーンを装着する必要があります(図1)。なお、立ち往生に関しては渋滞に長時間巻き込まれるリスクも想定する必要があります。
◆急な気温低下で路面凍結した場合
暖冬で比較的暖かい日が続くと油断しがちになるため、路面凍結に気が付かないでスリップ事故を起こすというリスクがあります。
凍結した路面は乾燥した路面より何倍も滑りやすくなります。(図2)
注)摩擦係数とは、タイヤと路面間の摩擦力の大きさを表す指数をいい、指数が小さいほど滑りやすいことを意味しています。
出典:一般社団法人日本自動車タイヤ協会「冬道走行とタイヤ」から当社作成
https://www.jatma.or.jp/tyre_user/winterroaddrivingandtyres.html
スリップ事故が多いのは交差点ですが、橋の上、トンネルの出入口付近、日陰で乾きにくい場所などは路面凍結に気が付かないことがあるので注意が必要です。
2.冬道の走行準備
積雪や路面凍結した道路の走行に向けて、早めのタイヤ交換やタイヤチェーンの携行が大切です。また、冬用タイヤやタイヤチェーンの摩耗状態や使用期限等にも留意することが必要です。
◆タイヤ交換の時期
初雪の1か月前が目安
「霜・雪・氷結の初終日の平均値」出典:気象庁「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
◆タイヤの点検
- 溝の深さ 1.6mmまで
- 使用期限 3~5年間
- 空気圧 車両指定空気圧
◆タイヤチェーンの携行時の状態確認
- 摩耗状態 1/2まで
- 使用期限 金属製 5~10年間
ゴム・ウレタン製 5年間
◆タイヤチェーンの装着
チェーン規制情報が出たら早めの装着が重要
出典:国土交通省「チェーン規制Q&A」
https://www.mlit.go.jp/road/bosai/fuyumichi/tirechains.html
急な気温低下でエンジンがかからないといった事態に備え、バッテリー等の点検も必要です。
また、突然の大雪で立ち往生に巻き込まれるといった不測の事態も想定しておくとよいでしょう。
◆バッテリーの点検
電圧測定、バッテリー液の補充
◆エンジンオイルの点検
粘度や汚れ具合の確認、補充、交換
◆不測の事態に対して準備するもの
スコップ、長靴、軍手、けん引ロープ
アイススクレーパー、解氷スプレー
食料、水、防寒具、携帯トイレ
3.事前の情報収集
冬道の運転には、事前の情報収集も大切です。
全国の道路における積雪や路面状態、閉鎖道路などの情報を下記のリンクから確認できます。
また、全国のライブカメラ映像も配信されているので、天候・積雪情報をリアルタイムで閲覧できます。
事前に情報収集することで、危険回避の判断や急な天候の変化に対してより適切な判断ができるようになります。冬道での事故やトラブルを回避するためにも、事前の情報収集を徹底しましょう。
以上(2023年12月)
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画像:amanaimages