活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
新型コロナウイルス感染者数の減少に伴い、経済活動が再開され、また年末が近づくにつれ交通量の増加が予想されます。これからの時期、交通渋滞などにより運転中にストレスを感じる機会も多くなり、ついイライラしてしまうということもあると思われます。
運転中のストレスやイライラなどの感情は、安全運転に支障をきたすものであり、交通事故に繋がるリスクがあります。
本号では、運転中のストレスやイライラといった感情と、その対処法について考えたいと思います。
1.運転中のストレス・感情
自動車の運転は、周囲の交通状況を認知し、適切な判断と的確な操作を繰り返し行うため、常にストレスがかかります。
ある調査※1によると、運転中のストレス・感情には、「立腹・イライラ」、「事故不安」、「焦り」が多くを占めます。
その原因としては、強引な割込みなど他のドライバーの行動や自転車や歩行者の危険な行動、そして渋滞といった周囲の交通環境などがあげられます。
※1 公益財団法人国際交通安全学会 平成20年度研究調査報告書「ドライバーの感情特性と運転行動への影響」における調査。グラフは調査結果をもとに当社作成。
実際、他車が交通ルールを守らない、あるいは他車の強引(または危険)な運転に遭遇すると、相手車に対してイライラを感じるドライバーは少なくないようです。
ある調査※2では、90.2%のドライバーが運転中にイライラしたことがあり、このうち約40%のドライバーが、あおり運転をしてしまったと感じる経験があるとのことです。
※2 日本アンガーマネジメント協会 2019年5月28日発表「あおり運転と怒りの関係性」調査結果
https://www.angermanagement.co.jp/press_release/pr20190528 (2021.11.11閲覧)
昨今、ドラレコの普及と報道の影響で「あおり運転」や「妨害運転」が表面化し、その違法性が周知され、警察の取り締まりも強化されています。
ドライバーは、より一層、運転中のストレス・感情と上手に向き合うことが求められています。
2.感情のコントロール
「ハンドルを握ると人格が変わる」という言葉がありますが、ひとは誰しも自動車の運転に集中すると、交感神経が高まり、感情が現れやすくなるものです。特にストレスをため込んでいると感情に支配されやすくなります。
感情のコントロールは、安全運転に求められる重要な技能の一つです。いくら運転技能に優れていても、感情を上手くコントロールできなければ、強いストレスがかかった際、運転への集中が阻害され、重大事故に繋がる危険な運転をしてしまう可能性があります。
3.イライラ等への対処法
運転中のイライラ等に対して、予め自分なりの対処法を考え、身に着けておきましょう。
<対処法の例>
- 事前に渋滞情報などを確認し、時間に余裕を持って早めに出発する。
- 好きな音楽やラジオを聴いて、リラックスできる車内環境を作る。
- イライラを感じたら、深呼吸をする、ガムをかむ、または甘いものを摂るようにする。 など
また、周囲のドライバーをイライラさせないことも、交通事故やトラブルを防ぐうえで重要です。次のような「交通コミュニケーション」(※)の高い運転を実践しましょう。
- 交通ルールを守りましょう。
- 「急」のつく運転操作を避けましょう。
- 早めの合図、わかりやすい合図を励行しましょう。
※交通コミュニケーション:車、人、自転車など道路交通の参加者同士のコミュニケーション
以上(2021年12月)
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画像:amanaimages