活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
駐車場は安全だと思い込んでいませんか?
歩行者が少なく、車も低速で走行する駐車場では、事故の危険を想定していないドライバーも多いと思います。しかし、車両事故の約3割は駐車場で発生しているとも言われており、駐車場には事故の危険が多く潜んでいます。
今回は、駐車場に潜む事故の危険と、事故を防ぐためのポイントについてお伝えします。
1.駐車場事故の発生状況
令和3年の交通事故件数について、交通事故全体と駐車場での事故における人対車両事故の占める割合を比較すると、駐車場での事故は約2.5倍になっています。
また、車両相互事故件数について、後退時の事故が占める割合を比較すると、駐車場での事故は約13.5倍になっており、駐車場での車両相互事故の半分以上が後退時の事故です。
出典:公益財団法人交通事故総合分析センター令和3年版「事故類型別(詳細)・昼夜別 道路線形別 全事故件数」より当社作成
駐車場で人対車両や後退時の事故の割合が多い理由として、以下の要因が考えられます。
【環境】
- 歩行者や車の動きが不規則である。
- 駐車車両や柱等の構造物による死角が多い。
【心理】
- 駐車場に入ると、緊張がほぐれ油断しやすい。
- 駐車スペースを探すことだけに集中してしまい、周囲の状況が見えにくくなる。
【操作】
- 狭いスペースへのバック駐車など、運転操作が複雑である。
- 車の前後左右の距離感を見誤る。
※公益財団法人交通事故総合分析センターの統計は人身事故の集計となっています。
※駐車場の定義は、公益財団法人交通事故総合分析センターの交通事故統計において「一般交通の場所」(「一般の交通の用に供するその他の※道路」に該当する場所及び事故が発生した道路が高速道路、国道、都道府県道等に付属して設けられているサービスエリア、パーキングエリア※等の場合をいう)としています。
2.駐車場に潜む事故の危険について
駐車場でよくある事故の事例から、駐車場に潜む危険について考えてみましょう。
【事例1】
駐車車両の死角から現れた歩行者との事故
駐車場には駐車車両や柱等の構造物による死角が多く、歩行者が思いがけないところから現れたりします。
駐車場内の歩行者は、ドライバーが予測しにくい行動をすることがあります。
【事例2】
バック駐車時の駐車車両との接触事故
狭いスペースへのバック駐車では、アクセル・ブレーキ・ハンドルの操作が頻繁となり、見落としや見誤りが生じるおそれがあります。
後続車が待っていると、「早く駐車しなければ」と焦りも生じ、安全確認が疎かになることがあります。
【事例3】
駐車場通路でのバックによる後続車との接触事故
駐車スペースから出る車のために不用意にバックをすると、後続車と接触するおそれがあります。
駐車場通路でバックしたときに後続車等とぶつかってしまったというケースも少なくありません。
3.駐車場での事故を防止するためのポイント
駐車場では、以下の点に留意して、安全運転を心がけましょう。
- 駐車場も道路の一部と考えて、油断したり気を抜いたりしない。
- 駐車場では、常に徐行する。
- バック駐車をするときは徐々にバックし、少しでも接触の危険を・感じた時は、無理をせず、もう一度やり直す。
- バックモニターやクリアランスソナーが装備されている場合でも、それに頼り切らず、必ず自分の目でも後方の安全を確認する。
- 発進するときは、両脇の車両との間隔に注意するとともに、通行・車両や歩行者がいないか、必ず確認する。
以上(2022年8月)
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画像:amanaimages