書いてあること

  • 主な読者:株主総会に必要な基礎知識を身に付けたい経営者や実務担当者
  • 課題:「株主総会で何を決められるのか」「開催に向けてどんな準備が必要なのか」などが実はいまいち分かっていない
  • 解決策:株主総会の位置付けや決議事項など、会社法の基本的なルールを押さえる。文面例などを参考に文書を作り、開催までの段取りをスケジュール例に沿って考える

1 中小企業の株主総会の全て

【株主総会】シリーズでは、中小企業が株主総会を開催する際の留意点、文書作成の参考となる文面例、オンラインで株主総会を開催する場合のポイントなどを紹介しています。

今の株主総会の進め方に不安がある場合や、開催方法を見直したい場合などにぜひご活用ください。

2 株主総会ってどういうもの?

株主総会は、株式会社の「最高意思決定機関」といわれ、主に経営に関わる重要なことを決定します。株主総会で決められる主な議案と留意点などを紹介します。

1)株主総会は必ず開催しなければならない

株主総会の開催は、株式会社の義務です。株主が経営者とその親族などに限られているオーナー企業などでは、実際の株主総会を開催せず、議事録だけを作成しているケースがありますが、実はこれは会社法違反です。株主総会の位置付けや、株主総会で決められる事項などの基本的なルールを紹介します。

2)株主総会で行われる決議は3種類

株主総会で行われる決議は、「普通決議」「特別決議」「特殊決議」の3種類です。ほとんどの事項は普通決議で決まりますが、多くの株主に影響を及ぼすような重大な事項は、特別決議などで決めます。3つの決議の概要とそれぞれの決議で決められる要件を網羅的に紹介します。

3 株主総会当日までに準備しておくことは?

株主総会当日までに準備しておくことは多岐にわたります。スケジュール例を参考に、事前にやることをリストアップすると抜け漏れもなくなります。開催前と開催後に必要な準備と手続きを紹介します。

1)スケジュールを確認し、必要な書類は文面例を参考に作成しよう

株主総会のスケジュールは、会社法などで細かく決められています。例えば、株主の権利行使は基準日(多くの場合、事業年度の末日)から3カ月以内とされているため、株主総会はそれまでに開催する必要がありますし、開催日の原則2週間前には、株主に招集通知を送らなければなりません。抜け漏れのないよう、参考となるスケジュール例や招集通知の文面例を紹介します。

2)当日は「議事進行シナリオ」を準備し、開催後は議事録の速やかな作成を

株主が少ない中小企業の場合は、議事進行手順などを整理した「議事進行シナリオ」を作成しておくと当日の進行がスムーズです。開催当日の議事進行シナリオ例や株主総会後に必要な手続きを紹介します。

3)取締役と株主の同意があれば、取締役会と株主総会の招集手続や決議を省略できる

株主総会の実務のうち、取締役会の招集手続や決議、株主総会の招集手続、株主総会の決議については、取締役と株主の同意があれば省略できます(ただし、株主総会議事録の作成は省略不可。株主総会の書面決議を行った場合も同様)。具体的な省略の方法を紹介します。

4)株式実務をしっかりこなして、株式に関するトラブルの発生を抑えよう

株式に関するトラブルは、解決が難しいとされています。例えば、株主名簿に記載されていない株主は、会社が株主として認めない限り、株主総会で議決権を行使できません。そのため、株主名簿の管理・印鑑の登録といった株式管理や、株式を譲渡する際の手続きなどの株式実務は、慎重に行う必要があります。各実務の書式づくりで参考になるひな型を紹介します。

4 中小企業が開催できるオンライン株主総会は出席型

株主総会は、必ずしもリアル(対面形式)で開催する必要はなく、テレビ会議システムなどを使ってオンラインで行うこともできます。オンライン株主総会は制約が多いですが、遠方の株主などがいる場合は効率化につながる可能性もあります。中小企業が開催できるのは、リアルの会場を準備した上でオンラインでも中継する形態です。開催の留意点や招集通知、議事録の作成例を紹介します。

以上(2024年4月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

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