活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
8月は、夏季休暇などを利用して帰省や行楽ドライブを計画されている人も多いことでしょう。長距離の移動に欠かせないのが高速道路ですが、8月の高速道路は交通量が多く、渋滞も発生しやすくなります。
そこで今回は、高速道路における渋滞の発生原因や発生箇所、渋滞に差し掛かった時の留意点について考えてみましょう。
1.渋滞の発生傾向
月別の全国の高速道路の交通量をみると、8月が最も多くなっており(図1)、特にお盆の時期を中心に長い渋滞が発生しています。
出典:独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構「各高速道路会社の交通量データ」を基に当社作成。
「全国高速道路の交通量」は東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路、首都高速道路、阪神高速道路、本四高速道路、の合計値。
この時期には各高速道路会社から渋滞予測等の交通情報が発表されますので、事前にこれらの情報を確認し渋滞を回避できる運行計画を立てることが大切です。
渋滞の発生原因は「交通集中」(自然渋滞)が7割以上を占めています(図2)。
また、渋滞の発生箇所は「上り坂・サグ部※」がほぼ6割を占めています(図3)。
出典:NEXCO東日本「高速道路の渋滞対策」
https://www.e-nexco.co.jp/activity/safety/detail_07.html
※サグ部・・・道路の、下り坂から上り坂にさしかかる凹型構造の箇所
上り坂・サグ部では速度が無意識のうちに低下することがあります。1台の車の速度が落ちると、後続車も速度を落とし、その後ろの車も速度を落とし…と連鎖していくことで車がつながり(交通集中)、渋滞が発生します。
緩やかな下りや上りは識別しにくく、そのような箇所には渋滞発生を注意喚起する看板が設置されることもあります。それらを見落とさないようにし、こまめにスピードメーターで速度を確認する習慣をつけるとよいでしょう。
2.渋滞に差し掛かった時の留意点
図4は高速道路の平均速度調査の一例ですが、渋滞時(40km/h以下)は第一走行車線が最も速くなっています。追越車線へ強引に車線変更する車が見受けられますが、リスク(事故・あおり運転の誘発要因にもなる)があるだけで何のメリットもありません。頻繁な車線変更も同様です。
出典:ウェザーニュース「渋滞の高速道路、最も速く進む車線は”左車線”」https://weathernews.jp/s/topics/202305/020075/
渋滞時に路肩を走行する車を見かけることがありますが、路肩は緊急車両の通行路であり、走行は禁止されています。
急ぎの要因の一つとしてトイレも考えられますので、高速道路を走行するときは携帯トイレも備えておきましょう。
また渋滞時には、二輪車が車の間を縫うように走行することがあります。少しでも車が動いているときや停止状態から動き出すときは、後方や側方から二輪車が接近していないか確認しましょう。
コラム 運転支援装置「追従型クルーズコントロール」の留意点
追従型クルーズコントロール※は、運転者がセットした車速を維持するとともに、カメラ・レーダー等のセンサーで先行車を認識すると、その速度に応じて速度を自動調節し、車間距離を適正に保ちつつ走行する運転支援装置です。
以下は追従型クルーズコントロール利用時の留意点です。
- 居眠り運転や機能の過信による前方不注意などに陥る危険があります。運転の主役はあくまでも運転者自身。装置に頼って油断することのないよう緊張感をもって運転しましょう。
- 急カーブや急こう配などでセンサーの検知範囲を超えたり、センサーへの着雪・汚れ、逆光などで対象物を認識できなかったりする場合、装置が正しく機能しない場合があります。
- この装置は車が一定の速度で流れやすい高速道路向きです。一般道路での使用や、高速道路であっても都市高速など急カーブが多いところ、合流・分流時、料金所付近での使用は控えましょう。
※車種によって機能や操作方法が異なります。利用する前に必ず機能詳細を確認しておきましょう。
以上(2024年8月)
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画像:amanaimages