1 クラウドを使って容易に環境構築

顧客情報や日々の受発注情報などのデータを、社内のPC やサーバーに保存している会社は多いでしょう。しかし、災害によってハードディスクなどの記憶媒体が損傷し、これらのデータが消失すると、顧客に連絡できなくなる他、資材調達や営業活動も通常通り行えません。こうした事態を回避するために、バックアップ体制の構築が重要です。

そこで検討したいのが、「クラウド」というインターネット技術を使ったバックアップサービスです。インターネット回線を使ってファイルを遠隔地に退避できるため、災害によって社内のPCやサーバーが損傷しても、迅速にデータを復旧し、事業を再開できる可能性があります。

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2 クラウド型バックアップサービスのポイント

クラウド型バックアップサービスの多くが、保存するデータ容量に応じた料金体系になっています。どのくらいの費用がかかるのかを把握するため、事前にバックアップするデータ容量を算出しておくのが望ましいでしょう。

その他、安全性、速度、運用のしやすさなども、サービスを選ぶ際のポイントになります。

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3 セキュリティーを踏まえたバックアップ

データを社外に持ち出す場合、重要な情報の漏洩に十分注意しなければなりません。クラウド型バックアップサービスも例外ではありません。バックアップサービスを提供する事業者は独自にセキュリティー対策を実施しているものの、サービスを使う利用者側にも情報を漏洩させない使い方や運用体制が求められます。

例えば、バックアップサービスを利用する人を特定の社員に限定しているか、誰がいつバックアップデータにアクセスしたのかを把握できているかなどです。サービスにログインする IDやパスワードの適切な管理も、情報の漏洩を防ぐためには欠かせません。

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4 知らないうちにバックアップしているかも? PCの設定をチェック!

「バックアップしていなくてデータが消えてしまった!」と嘆く前に、PCの設定をチェックしましょう。もしかすると、先日まで使っていたファイルを復旧できるかもしれません。

Windows10の場合、標準装備されているバックアップ機能を確認します。機能が有効なら、バックアップデータからファイルを復旧できます。「OneDrive」などのオンラインストレージサービスの中には、特定フォルダ内のファイルを自動保存する機能を備えるものがあります。対象となるフォルダ内のファイルに限られるものの、機能を事前に有効化していればファイルを復旧できます。

これらの設定を有効化するだけで、ファイルをバックアップできるようになります。簡単に設定できるので、万が一に備えて事前に確認しておきましょう。

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以上(2020年4月)
(監修 aaaリサーチアンドコンサルティング 代表 中小企業診断士 福島一公)

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画像:Maslakhatul Khasanah-Shutterstock

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