書いてあること

  • 主な読者:少人数私募債の発行を検討している経営者
  • 課題:制度の内容や、どのような準備が必要なのかよく分からない
  • 解決策:少人数私募債は、縁故者との信頼関係があれば無担保でも社債を引受けてもらえるなどのメリットがある。一方で、縁故者を引受人とすることから事前の準備が非常に重要であり、弁護士や公認会計士などの専門家や関係先との連携が必須

1 少人数私募債とは

1)少人数私募債とは

少人数私募債は、金融商品取引法上の概念で、同法に規定されている有価証券届出書・有価証券報告書の開示規制が課されず、社債管理者の設置も不要となるように設計されている社債を指します。一般に、親族・従業員・取引先など、自社にとって身近な者(縁故者)を対象として発行されています。

少人数私募債は、直接金融による資金調達手段として中小企業でも活用されています。メリットとしては、次のような点が挙げられます。

  • 縁故者との信頼関係があれば無担保でも社債を引受けてもらえる
  • 発行企業が自由に発行条件を決定できる
  • 利息の固定化・低金利化が可能である
  • 通常の社債より手続きが簡単である

一方で、少人数私募債は社債ですから、会社から見ると投資家に対する債務です。そのため、償還期日に償還原資を確保しておかなければなりません。

2)少人数私募債に係る法律

社債は、金融商品取引法上の「有価証券」になりますので、社債取得の申込みを勧誘することは、「有価証券の募集」に該当します。そのため、金融商品取引法上、少人数私募債に該当するための要件である、1.募集人数が50名未満であること、2.譲渡制限や分割禁止が定められていること等の構成要件を満たす形で社債を発行する場合、当該社債の発行は、同法における「有価証券の私募」の一類型となります。

このように社債発行が「有価証券の私募」に該当すれば、上述した金融商品取引法上の開示規制は課されないことになります。

なお、この場合であっても、発行する社債は、会社法上の「社債」として、同法の規定に服することにはなります。

以降では、まず金融商品取引法および会社法における少人数私募債を構成する要件を見た上で、会社法上の社債発行手続きを見ていくものとします。

また、少人数私募債では、縁故者を引受人とすることから事前の準備が非常に重要となります。そのため、弁護士や公認会計士などの専門家や関係先との連携を密にし、計画的に進めていくことが必須となります。

2 金融商品取引法と少人数私募債

1)金融商品取引法における規定

新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘(取得勧誘)のうち、金融商品取引法第2条第3項各号の規定に該当するものを「有価証券の募集(公募)」といい、係る有価証券の募集に該当しないものを「有価証券の私募」といいます。

少人数私募債に該当するためには、「有価証券の私募」の要件を満たすことが必要となります。

【金融商品取引法第2条第3項】
この法律において、「有価証券の募集」とは、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘(これに類するものとして内閣府令で定めるもの(次項において「取得勧誘類似行為」という。)を含む。以下「取得勧誘」という。)のうち、当該取得勧誘が第一項に掲げる有価証券又は前項の規定により有価証券とみなされる有価証券表示権利若しくは特定電子記録債権(次項及び第六項、次条第四項及び第五項並びに第二十三条の十三第四項において「第一項有価証券」という。)に係るものである場合にあっては第一号及び第二号に掲げる場合、当該取得勧誘が前項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利(次項、次条第四項及び第五項並びに第二十三条の十三第四項において「第二項有価証券」という。)に係るものである場合にあっては第三号に掲げる場合に該当するものをいい、「有価証券の私募」とは、取得勧誘であって有価証券の募集に該当しないものをいう。

  • 一 多数の者(適格機関投資家(有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者として内閣府令で定める者をいう。以下同じ。)が含まれる場合であって、当該有価証券がその取得者である適格機関投資家から適格機関投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合に該当するときは、当該適格機関投資家を除く。)を相手方として行う場合として政令で定める場合(特定投資家のみを相手方とする場合を除く。)
  • 二 前号に掲げる場合のほか、次に掲げる場合のいずれにも該当しない場合
  • イ 適格機関投資家のみを相手方として行う場合であって、当該有価証券がその取得者から適格機関投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合
  • ロ 特定投資家のみを相手方として行う場合であって、次に掲げる要件のすべてに該当するとき(イに掲げる場合を除く。)。
  • (1)当該取得勧誘の相手方が国、日本銀行及び適格機関投資家以外の者である場合にあっては、金融商品取引業者等(第三十四条に規定する金融商品取引業者等をいう。次項、第四条第一項第四号及び第三項、第二十七条の三十二の二並びに第二十七条の三十四の二において同じ。)が顧客からの委託により又は自己のために当該取得勧誘を行うこと。
  • (2)当該有価証券がその取得者から特定投資家等(特定投資家又は非居住者(外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条第一項第六号に規定する非居住者をいい、政令で定める者に限る。)をいう。以下同じ。)以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合に該当すること。
  • ハ 前号に掲げる場合並びにイ及びロに掲げる場合以外の場合(当該有価証券と種類を同じくする有価証券の発行及び勧誘の状況等を勘案して政令で定める要件に該当する場合を除く。)であつて、当該有価証券が多数の者に所有されるおそれが少ないものとして政令で定める場合
  • 三 その取得勧誘に応じることにより相当程度多数の者が当該取得勧誘に係る有価証券を所有することとなる場合として政令で定める場合

【金融商品取引法施行令第1条の5(勧誘の相手方が多数である場合)】
法第二条第三項第一号に規定する多数の者を相手方として行う場合として政令で定める場合は、五十名以上の者を相手方として有価証券の取得勧誘を行う場合とする。

そこで、金融商品取引法における少人数私募債を発行するための要件(「有価証券の私募」に該当するための要件)を見ていきます。

2)「有価証券の私募」

先に紹介した金融商品取引法、同施行令にある通り、社債などにおける「有価証券の募集」とは、次のものをいいます。

  • 50名以上の多数の者を相手方とするもの
  • 次に掲げる要件(イ・ロ・ハ)のいずれにも該当しないもの
  • イ 適格機関投資家のみを相手方とする場合(いわゆるプロ私募)であって、発行する当該有価証券がその取得者から適格機関投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないもの
  • ロ イに該当しない場合であって、
    • 当該取得勧誘の相手が、国、日本銀行及び適格機関投資家以外の者である場合にあっては、金融商品取引業者又は登録金融機関が顧客からの委託により又は自己のために当該取得勧誘行為を行い、かつ
    • 当該社債の発行者とその社債の取得勧誘に応じてその社債を取得しようとする者(取得者)との間及びその社債勧誘を行う者とその取得者との間において、取得者がその社債を特定投資家等以外の者に譲渡されるおそれが少ないもの
  • ハ 50名以上の者を相手方とする場合及びイ・ロ以外の場合であって、発行する当該有価証券がその取得者から多数の者に譲渡されるおそれが少ないもの

簡単にいうと、50名以上の者を相手方とするもの、および発行する有価証券が第三者へ譲渡されることが予定されているものは、「有価証券の募集」に当たると理解いただければと思います。

この有価証券の募集の規定を充足しない(該当しない)ものが「有価証券の私募」に当たります。つまり、新たな有価証券(社債)の発行を少人数私募債とするための主な要件は次の通りと考えることができます。

  • 取得勧誘が50名未満であること、および発行する社債が多数の者へ譲渡されるおそれが少ないこと(譲渡制限や分割制限が付されていることが取得者に分かるようになっていること)等(金融商品取引法施行令第1条の7、金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令第13条第3項第1号)

なお、この50名未満とは、当該有価証券の発行される日以前の6カ月以内通算の人数であることに注意が必要です。過去6カ月以内に同種の社債が発行されている場合にはそのときの勧誘人数との通算が50名未満でなければなりません。通算で50名以上となる場合は、少人数向け勧誘に該当しないものとなります(金融商品取引法施行令第1条の6)。

3 会社法と少人数私募債

1)社債とは

社債とは、会社法の規定により、会社が行う割当てにより、発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第676条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいいます(会社法第2条第23号)。社債(少人数私募債)の発行に際しては、次の規定に基づき行うこととなります。

【会社法第4編社債(第676条~第742条)】
第1章 総則(第676条~第701条)
募集社債に関する事項の決定、募集社債の申込み、募集社債の割当て、募集社債の申込み及び割当てに関する特則、募集社債の社債権者、社債原簿、社債原簿記載事項を記載した書面の交付等、社債原簿管理人、社債原簿の備置き及び閲覧等、社債権者に対する通知等、共有者による権利の行使、社債券を発行する場合の社債の譲渡、社債の譲渡の対抗要件、権利の推定等、社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録、社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録、社債券を発行する場合の社債の質入れ、社債の質入れの対抗要件、質権に関する社債原簿の記載等、質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等、信託財産に属する社債についての対抗要件等、社債券の発行、社債券の記載事項、記名式と無記名式との間の転換、社債券の喪失、利札が欠けている場合における社債の償還、社債の償還請求権等の消滅時効

第2章 社債管理者(第702条~第714条)
社債管理者の設置、社債管理者の資格、社債管理者の義務、社債管理者の権限等、特別代理人の選任、社債管理者等の行為の方式、二以上の社債管理者がある場合の特則、社債管理者の責任、社債管理者の辞任、社債管理者が辞任した場合の責任、社債管理者の解任、社債管理者の事務の承継

第3章 社債権者集会(第715条~第742条)
社債権者集会の構成、社債権者集会の権限、社債権者集会の招集、社債権者による招集の請求、社債権者集会の招集の決定、社債権者集会の招集の通知、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等、議決権の額等、社債権者集会の決議、議決権の代理行使、書面による議決権の行使、電磁的方法による議決権の行使、議決権の不統一行使、社債発行会社の代表者の出席等、延期又は続行の決議、議事録、社債権者集会の決議の認可の申立て、社債権者集会の決議の不認可、社債権者集会の決議の効力、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告、代表社債権者の選任等、社債権者集会の決議の執行、代表社債権者等の解任等、社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失、債権者の異議手続の特則、社債管理者等の報酬等、社債権者集会等の費用の負担

2)少人数私募債と社債管理者

会社法上、会社が社債を発行する場合には、社債管理者(銀行、信託銀行など)を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければなりません(会社法第702条)。

ただし、各社債の金額が1億円以上である場合、その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして次の会社法施行規則の要件を満たす場合は、社債管理者の設置を要しないものとされています。

【会社法施行規則第169条(社債管理者を設置することを要しない場合)】
法第702条に規定する法務省令で定める場合は、ある種類(法第681条第1号に規定する種類をいう。以下この条において同じ。)の社債の総額を当該種類の各社債の金額の最低額で除して得た数が50を下回る場合とする。

すなわち、社債発行額を社債の最低額で割った数が50未満である場合には、社債管理者の設置が不要となります。例えば、社債発行額を1000万円とする場合、社債管理者の設置を不要とするためには、1口の債権額は1000万円の50分の1である20万円よりも大きくしなければなりません。次章で、会社法における少人数私募債(社債)の発行手続きを紹介しますが、一般的に少人数私募債を設計する際に社債管理者を置かない形とするため、係る一般的な場合を前提に説明します。

4 会社法における少人数私募債(社債)の発行手続き

1)募集社債に関する事項の決定

会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいいます)について次に掲げる事項を定めなければなりません(会社法第676条、会社法施行規則第162条)。

  • 募集社債の総額
  • 各募集社債の金額
  • 募集社債の利率
  • 募集社債の償還の方法及び期限
  • 利息支払の方法及び期限
  • 社債券を発行するときは、その旨
  • 社債権者が第698条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨
  • 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法
  • 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日
  • 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときはその旨及びその一定の日
  • 数回に分けて募集社債と引換えに金銭の払込みをさせるときは、その旨及び各払込みの期日における払込金額(法第676条第9号に規定する払込金額をいう)
  • 他の会社と合同して募集社債を発行するときは、その旨及び各会社の負担部分
  • 募集社債と引換えにする金銭の払込みに代えて金銭以外の財産を給付する旨の契約を締結するときは、その契約の内容

なお、取締役会設置会社にあっては募集社債に関する事項の決定は取締役会の決議事項となります(会社法第362条第4項第5号)。なお、会社法施行規則第99条に定める事項(2以上の社債引受人の募集に係る募集事項の決定を委任するときはその旨、募集社債の総額の上限、募集社債の利率の上限その他の利率に関する事項の要綱、募集社債の払込金額の総額の最低金額その他の払込金額に関する事項の要綱)以外のものは、取締役会で定めないでその決定を取締役に委任することができます。

また、会社法では、頻繁な流通を予定していない社債券について、原則不発行とするものとされました。そのため、社債券を発行する場合、募集事項に社債券を発行する旨を定めることが必要となります。

2)募集社債の申込み

会社は、会社法第676条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければなりません(会社法第677条第1項、会社法施行規則第163条)。

  • 会社の商号
  • 当該募集に係り、決定した募集社債に関する事項(「1)募集社債に関する事項の決定」における記載参照)
  • 社債原簿管理人を定めたときは、その氏名又は名称及び住所

なお、この事項について変更があった場合、会社は直ちにその旨および当該変更があった事項を、会社の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをした者(以下「申込者」)に通知しなければなりません(会社法第677条第5項)。

この会社の募集に応じる申込者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければなりません(会社法第677条第2項)。

  • 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
  • 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数
  • 会社が各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法(会社法第676条第9号)を定めたときは、希望する払込金額

3)募集社債の割当て

会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額および金額ごとの数を定めなければなりません。この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、申込者が引き受けようとする募集社債の金額および金額ごとの数よりも減少することができます(会社法第678条第1項)。また、会社は、募集社債と引換えにする金銭の払込期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額および金額ごとの数を通知しなければなりません(会社法第678条第2項)。

4)社債原簿

会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(「社債原簿記載事項」)を記載または記録しなければなりません(会社法第681条、会社法施行規則第165条、同第166条)。

  • 1.第676条第3号から第8号までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項
    • 社債の利率
    • 社債の償還の方法及び期限
    • 利息支払の方法及び期限
    • 社債券を発行するときは、その旨
    • 社債権者が法第698条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨
    • 他の会社と合同して募集社債を発行するときは、その旨及び各会社の負担部分
    • 社債原簿管理人を定めたときは、その氏名又は名称及び住所
    • 社債が担保付社債であるときは、担保付社債信託法第19条第1項第1号、第11号及び第13号に掲げる事項
  • 2.種類ごとの社債の総額及び各社債の金額
  • 3.各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日
  • 4.社債権者(無記名社債の社債権者を除く)の氏名又は名称及び住所
  • 5.前号の社債権者が各社債を取得した日
  • 6.社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数
  • 7.募集社債と引換えにする金銭の払込みに代えて金銭以外の財産の給付があったときは、その財産の価額及び給付の日
  • 8.社債権者が募集社債と引換えにする金銭の払込みをする債務と会社に対する債権とを相殺したときは、その債権の額及び相殺をした日

5)その他

  • 社債原簿記載事項を記載した書面の交付(会社法第682条)
    社債権者(無記名社債の社債権者を除く)は,社債発行会社に対し、社債原簿記載事項を記載した書面または電磁的記録の提供の請求を受けた場合、当該書面の交付または電磁的記録の提供を請求することができます(ただし、社債券を発行する旨の定めがある場合を除きます)。
  • 社債原簿の備置き及び閲覧等(会社法第684条)
    社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければなりません。また、社債発行会社の営業時間内に、社債権者等から理由を明らかにして社債原簿の閲覧謄写を請求された場合には、原則としてこの請求に応じなければなりません。
  • 社債券の発行、社債券の記載事項(会社法第696条、同第697条)

社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければなりません(会社法第696条)。社債券には、社債発行会社の商号、当該社債券に係る社債の金額、当該社債券に係る社債の種類およびその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、または記名押印しなければなりません(会社法第697条第1項)。また、社債券には利札を付することができます(会社法第697条第2項)。

社債権者は、募集事項で定められ、社債原簿に記載された内容の利息の支払いを受け、定められた社債の期限が到来したときに償還を受ける権利を有します。この他、社債権者は、団体として発行会社に対し権利の行使等の行動をとることができます。その1つが、会社法第715条から第742条にまとめられている社債権者集会で、会社法に規定する事項および社債権者の利害に関する事項について決議をすることができるものとされています。

社債発行に際しては、こうした社債権者に認められる権利や制度についても十分に理解しておくことが必要となります。

以上(2019年8月)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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画像:unsplash

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