活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
生活道路※1は、地域住民が日常生活で利用しており、子供たちも登下校時や遊びに出かけるときなどに利用しています。警察庁の発表※2によると、歩行中の小学生の死者・重傷者数は10月が一番多くなっており、道幅が狭い生活道路を車で走行する際は、子供との接触に対するより一層の注意が必要です。
今回は、生活道路で子供との事故を起こさないためのポイントについて考えます。
※1 国土交通省の統計資料では「車道幅員5.5m未満の道路」を生活道路としています。
※2 警察庁「令和7年秋の全国交通安全運動の実施について」https://www.npa.go.jp/news/release/2025/R7akinoundou_koutuujikobunseki.pdf(2025.9.11閲覧)
生活道路事故の発生状況
生活道路の人口10万人あたりの死傷者数では、小学生が一番多くなっています(図1)。歩行中の小学生の法令違反別では、「違反あり」が約6割を占めており、その中でも「飛び出し」が3割以上を占めています(図2)。
出典:国土交通省「道路交通安全対策」より当社作成
出典:内閣府「令和7年版交通安全白書」より当社作成
生活道路で子供との事故が発生する理由として、以下の要因が考えられます。
【環境】
- 狭い道が交っている場所が多く、歩道と車道が区別されていない。
- 建物の壁や電柱などによる死角が多く、見通しが悪い。
【歩行者(子供)】
- 登下校時、友達と話しながら道路に広がって通行する。
- 遊びに夢中で、周囲の安全確認をせずに道路へ飛び出す。
【ドライバー】
- 交通参加者が少ないため、つい安全確認を省略してしまう。
- 「自車の存在に気付いているだろう」と思い込み、油断や過信が生じる。
生活道路走行時の危険
このような生活道路で、子供と接触する危険について考えてみます。
天候や時間帯など、状況によって潜む危険は異なります。常に子供の存在を意識しましょう。
事故防止のポイント
生活道路で子供との事故を防ぐために、以下の点に留意して、安全運転を心がけましょう。
- 建物や電柱などで見通しが悪い場所では、「この先で子供が遊んでいるかもしれない」などと思って徐行運転をしましょう。
- 見通しの悪い交差点に進入する際は、必ず一時停止を行い、目視とカーブミラーなどで周囲の状況をしっかり確認しましょう。
- 子供の急な飛び出しを予測した際は、いつでも停止できるようブレーキに足を乗せた「構え運転」を行いましょう。
令和8年9月1日より、生活道路における自動車の法定速度が時速60Kmから時速30Kmに引き下げられます。自動車等の速度が30kmを超えると、歩行者の致死率が急激に上昇するというデータもあり、すでに実施されている「ゾーン30・ゾーン30プラス」以外でも、対象の生活道路全般で引き下げられます。詳細は、警察庁・各都道府県の広報啓発ポスターをご参照ください。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/doro/Residential_roads.files/residential_roads.pdf
※「ゾーン30・ゾーン30プラス」については、マンスリーレポート2022年1月号で取り上げています。
以上(2025年10月)
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画像:amanaimages