【ポイント】

  • 雁(がん)は群れで長距離を飛ぶ際、先頭の鳥の後ろに「V字」を作るように列を組む
  • 仲間は先頭の鳥の気流に乗って飛べるが、飛び続けるには先頭を交代し回す必要がある
  • 部下や後輩が「前に出る意識」を持たないと、やがて組織が成り立たなくなってしまう

おはようございます。突然ですが、皆さんは「雁行(がんこう)」というのをご存じでしょうか。これは雁という渡り鳥が、群れで長距離を旅する際に見せる飛び方です。雁の群れは一列に並んで飛ぶのではなく、先頭の鳥の後ろから左右に広がり、アルファベットの「V」の形になるように列を組んで飛びます。このことを雁行、V字飛行などと呼ぶのです。

なぜ、V字に列を組むのかと思うでしょうが、これにはちゃんとした理由があります。雁が羽ばたくと、その後ろには体が浮きやすい気流ができます。だから、列の後ろを飛ぶ鳥は、仲間が作った気流に乗って、疲れずに飛び続けることができるのです。ただ、この飛び方だと、仲間の力を借りられない先頭の鳥には負担が集中します。そのまま放っておけば先頭の鳥は疲弊して羽ばたけなくなり、そうなると仲間も気流に乗って飛べなくなります。だから、雁たちは長距離を旅する際、先頭の役割を交代しながら順番に回し、ローテーションしながら飛行するのです。

私はこの雁行のシステムを初めて知ったとき、「雁ってとても賢い鳥なんだな」と感心すると同時に、ふと「自分の会社が雁の群れだとしたら、どんな状態だろう」と考えてみました。私たちの会社では、上司や先輩が、私のような若手の進むべき方向を照らして引っ張ってくれています。ですが、私自身はどうなのかというと、正直なところ、上司や先輩の指示にただ従うだけで、自分が皆を引っ張るという経験をあまりして来なかったように思います。雁の群れでいうなら、「先頭の役割を1人だけ交代せず、楽をし続けている状態」といえるかもしれません。

もちろん、会社の指揮系統に従うことは大切なのですが、いつまでも上司や先輩に引っ張ってもらっていては、その人たちに負担が集中します。そんな状態が続けば、やがて組織は成り立たなくなってしまうでしょう。だから、私たち若手は、ただ誰かに任せきりにするのではなく、定期的に「自分がやります!」と手を挙げて、チームを引っ張る意識を持たなければなりません。

もうすぐ新年度が始まりますが、新年度の私のテーマは「前に出る」です。チーム全体が空を飛び続けられるよう、積極的に手を挙げていきたいと思います。

以上(2025年3月作成)

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画像:Mariko Mitsuda