【ポイント】
- お客さま対応では、「自分の立場を一旦忘れてみること」が大切
- こちらの都合を通すことばかり考えると、相手の話を真摯に聞くことができなくなる
- 常識の違いが当然だと思えれば、お客さま対応の際にも心の余裕が生まれる
おはようございます。突然ですが、皆さんにはお客さまと接する際、何か心掛けていることはありますか? ちなみに私が心掛けているのは、「相手の立場に立つこと」です。もっと言うと、相手の立場に立つ際に、「自分の立場を一旦忘れてみること」を意識しています。
これは、私の前職での経験談です。通販サイトに商品を出品するお客さまから、電話でクレームをいただいたことがありました。内容は「通販サイトには、自分が出品したい商品に合致するカテゴリーがない。カテゴリーの種類を見直してほしい」というものでした。
私は、「カテゴリーの種類は、他のお客さまの使い勝手も考慮して設定したもので、簡単には変えられない」と説明しました。しかし、相手はなかなか納得せず、私は次第に「たかがカテゴリーぐらいで……」と腹が立ってきました。私のイライラが態度にも出ていたのでしょう。見かねた当時の上司が、途中から電話を代わってくれましたが、対応が一段落した後で、私は上司に叱られました。
上司は私にこう言いました。「電話のとき、『たかがカテゴリーぐらいで……』と思っていただろう。君にとってはそうでも、お客さまは違う。自分のことばかり考えているから、あんなふうにイライラするんだよ」と。上司はさらに、お客さまが今回出品しようとしていた商品は、かなり長い時間をかけて作られたもので、お客さまは商品に強い誇りを持っていたということも話してくれました。
私は反省しました。電話を取ったタイミングでは「お客さまの話を真摯に聞こう」と思っていたのに、「カテゴリーは簡単に変えられない」というこちらの都合を分かってもらえないだけで、相手を「面倒くさい客」と決めつけ、話を聞こうとしていなかったのです。だから、この件以降、私は相手の話を聞く際、自分の立場のことは一旦忘れ、全て聞いてから結論を出すようにしているのです。
お客さまはこの業界のプロではありません。こちらの常識が通用しなくて当たり前です。こちらにとっては「つまらないこと」も、相手にとっては「重要なこと」なのです。それが当然だと思えれば、「まずは相手の思いを受け止めよう。対応するのはその後でも遅くはない」という、心の余裕が生まれます。私個人の経験則ですが、皆さんの参考になれば幸いです。
以上(2025年2月作成)
pj17207
画像:Mariko Mitsuda