本書では、「食の未来」に関する多数の著書がある食品学の専門家が、主に「3Dフードプリンター」に焦点を当て、開発や利用の現状や将来の可能性を解説するとともに、時を2055年に設定した架空の日記の形式で、24種類の「未来食」のある生活を、予想図や食品サンプルなどとともに描き出している。
3Dフードプリンターとは、プラスチックの熱可塑性樹脂などの材料をもとに立体の構造物を「印刷」する「3Dプリンター」を、食品の加工や調理に応用したもの。さまざまな食材を自由自在に加工し、「誰でもどこでも作ることができる」ことから宇宙食や災害食、また栄養素の構成も自由にできることから「個別化食」への活用が期待されている。