先日、知人の付き合いで、ある草サッカーの試合を観戦しました。私はあまりサッカーに詳しくないのですが、そんな私から見て「悪い意味」で気になる選手がいましたので、お話しします。
その試合で私が注目したのは、最前線でシュートを決める役割を担うポジションの選手でした。仮にA君とします。A君は、なかなかパスをもらえずにイライラして、チームメートにしきりにパスを出すように要求していました。
最初は私も、「なぜA君にパスが渡らないのだろう」と不思議に思っていましたが、試合が進んでいくうちに、その理由に気付きました。それは、「そもそも、チームメートがA君のことを信頼しておらず、意図的にパスを出していない」ということです。そう思ったきっかけは、A君とチームメートの態度です。
例えば、試合中、A君が絶好の位置でシュートを打つ場面がありましたが、彼はシュートを外した上に、悪びれる様子を見せませんでした。また、自分のチームが攻められた際に、積極的に守備に回る姿勢を見せませんでした。そして、A君のチームメートは、そんなA君を叱りも励ましもしませんでした。
私はA君から、シュートを決めることにこだわりがあるものの実力が足りず、一方で、シュート以外のプレーにはどこか「やらされ感」があるような印象を受けました。そして、チームメートはそんなA君に期待していないように見えました。
もし、A君とチームメートの関係がその通りなのであれば、A君がチームメートの信頼を勝ち取り、パスをもらえるようになる方法は2つです。それは、「試合の大事な場面でシュートを決めること」「攻撃だけでなく守備もしっかりこなすこと」です。
ただ、そのためにはシュートの技術を磨き、敵のマークを振り払えるだけの走力をつけ、チームの勝利のために守備に戻れる体力をつけねばなりません。そうした努力をしていなければ、チームメートからの信頼は得られないでしょう。
これはサッカーの話ですが、もし「自分はつまらない仕事ばかり押し付けられていて、大きな仕事を任せてもらえない」と思っている人がいたら、A君と同じだとは思いませんか?
皆さんは上司や同僚から、大きな仕事を任せようと思ってもらえるほどの信頼を得ていますか? 周囲の人たちは、ちゃんと日ごろの皆さんの働きぶりを見ています。仕事に対する姿勢や日ごろの努力、同僚への配慮など、さまざまな角度から皆さんを評価し、信頼度を定めています。
上司や同僚から、大きな仕事を成功させるだけの能力があると信頼されれば、手を挙げれば必ず、仮に手を挙げなくても、場合によっては大きな仕事を任せてくれるようになるでしょう。また、任せた大きな仕事が成功するよう、助言やサポートをしてくれるはずです。チャンスを得られるかどうかは、自分次第なのです。
以上(2022年⑧月)
pj17117
画像:Mariko Mitsuda