おはようございます。今朝は管理職の皆さんに集まってもらいました。変化の激しい時代、今後の我が社の成長には、管理職の皆さんの頑張りが欠かせません。そこで、私から皆さんにお伝えしたいことがあります。耳の痛い話かもしれませんが、これは私から管理職へのエールです。
先日、大学生時代の友人たちと食事をしました。皆、それなりのポジション、つまり、ある程度の権限を持って組織を回す管理職クラスになっていました。彼らは恐らく、並々ならぬ努力の末、今のポジションを手に入れたのでしょう。私は、そんな彼らをとても尊敬しています。
一方で、一つ気になったことがありました。それは、彼らが口々に自分ではなく、「若手」のことを語っていたことです。内容はさまざまで、「若手にもっと頑張ってほしい」といったものから、「若手の教育にもっと時間とコストをかけるべき」といったものまでありました。
私は彼らの意見自体はもっともだと思いましたが、一方で、「そういう皆さんはどうなの?」と疑問に感じました。若手に頑張れと言うのなら、「管理職はその何倍も頑張り、なおかつ若手が頑張れる環境をつくっているのだよね?」とか、若手の教育の話をする前に、「管理職は経営者から見て十分に勉強しているのか?」と思うのですが、彼らから「自分」に関する発言は出てきませんでした。つまり、彼らの話は「他責」に終始し、「自責」の要素が欠けてしまっていたのです。
この話は、若手のことだけではなく、自分の上司に対しても同じことです。管理職が、「うちの役員は頭が固くて……」とため息をつく姿をよく見かけます。それはそれで一つの感じ方ですが、やはり思うのは、「そう言うあなたは、何をしているのですか?」ということなのです。
管理職は情報への感度を高め、これだというものについてトライ&エラーを繰り返しながら、実行しなければなりません。権限とは、そのためのものです。しかも、今は環境の変化が激しく、昔と同じやり方では、ほぼ通用しません。ダーウィンの「唯一生き残るのは、変化できる者である」という言葉を、今まさに管理職は肝に銘じるべきでしょう。厳しい言い方ですが、多くの管理職は、自分の上司や部下のことを、あれこれ批判している余裕はないはずです。上司や部下の意見に流されて、都度ポジションを変えることも論外です。
管理職が下から上司を仰ぎ、上から若手を見る時代は、もう終わります。皆さんはこれまでよりも簡単に上を追い越すことができますし、逆に、簡単に下に追い越されてしまいます。今すぐ、自分の権限で具体的な行動を起こさなければならないのです。もしかすると、「失うものが多いと思っている」ことが他責につながっているのかもしれません。しかし、誠実に活動している限り、皆さんがビジネスで失うものは何もないのです。たとえ失敗しても、次で取り返せばよいことです。皆で、さらなる成長を目指しましょう。
以上(2019年9月)
pj16972
画像:Mariko Mitsuda