先日、私は大学の頃の友人と、大学時代の思い出の地を巡ってきました。実に30年ぶりに、校舎の中と、その周辺の街を歩いてみたのです。

懐かしさと同時に、新しく変わった校舎や街並みに、大きな衝撃を受けました。

中でも印象に残ったのは、大学周辺の飲食店が、ほとんど新しく変わっていたことです。私たちは、「思い出の地巡り」の締めくくりとして、当時よく通っていた何軒かの店で乾杯しようと思っていましたが、それらの店はただの一軒も残っていませんでした。

唯一残っていたのは、昼ごはんをよく買いに行ったパン屋さんだけです。そのパン屋さんも、店名を含めて30年前とは様子が全く違っており、おしゃれなベーカリーカフェに変わっていました。私たちは、30年たつと飲食店がこれほどまでに入れ替わり、変化するのかと、時代の流れを実感しつつ帰ってきました。

それぞれの飲食店で事情はさまざまでしょうが、唯一パン屋さんが30年たっても残ることができたのは、時代とともに移りゆく学生たちのニーズやライフスタイルに合わせて、自分たちも変化してきたからかもしれません。私は、このパン屋さんの姿から、当社も、これから変化していかなければならないと改めて強く感じました。

ただし、パン屋さんと当社では、大きく違う点があります。それは、「パン屋さんは外から変化がやってくる」という点です。

そのパン屋さんは大学のそばにあるため、毎年、多くの学生が新しく入学し、そして卒業していきます。つまり、「顧客」も含めて、「常に外から変化がやってくる」環境にあるのです。

一方、当社はそうではありません。新入社員を定期的に採用してはいませんし、顧客が毎年、定期的に入れ替わるようなこともありません。外から大きな変化がやってくるわけではない当社は、「中から変わっていく」しかないのです。

皆さん、自分の周りを見回してみてください。当社は設立30年以上ですが、30年前と全く同じ進め方をしている仕事、変わらない商品があるはずです。長く続いているのは大いに誇れる素晴らしいことですが、ただ漫然と前例を踏襲しているだけで、本当は変わらなければならないのに変わっていないとしたら、それは大きな問題です。

「日に新た(ひにあらた)」。これは、昨日とは違う今日という意識を持ち、日々新しい自分になることで成長していけるという趣旨の言葉で、松下幸之助氏が好んで使っていたものです。松下氏は、社員が全く同じことを続けているだけだと、厳しく叱ることもあったといいます。

当社も同じです。皆さん一人ひとりが、「中から、自分たちから変わっていこう」という意識を持ち、日々変化していくことで成長できるのです。

この朝礼が終われば、昨日とは違う新しい一日が始まります。皆さん、今日から変化を意識し、当社に新しい風をぜひ起こしてください。

以上(2019年7月)

pj16964
画像:Mariko Mitsuda

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