皆さん、おはようございます! 本日は良い雰囲気でビジネスを進めるための、ある秘訣について話したいと思います。皆さんは、日々の営業の場面で、「今日はトークの調子がいい!」とか、逆に「調子が悪い」と感じるときがあるでしょう。
トークの調子の良しあしは、準備したシナリオ通りに話せたか否かで決まるわけではありません。例えば、相手と丁々発止の議論ができ、その中で、当初は想定していなかったアイデアが浮かんで提案の幅が大きく広がったときなどに、「トークの調子がいい!」といえるのです。
では、トークの調子がいい状態はどのようにすればつくれると思いますか。私は「相手に気持ちよく話をしてもらうこと」と、「自分が気持ちよく話をすること」、この2点に尽きると思います。
恥ずかしいことですが、私は一度だけ商談中に居眠りをしたことがあります。疲れていたこともありますが、何より相手の話が単調だったのです。居眠りしたのは一瞬でしたが、相手は見逃しませんでした。相手は私の反応を探ろうと全神経を集中させているのですから、気付いて当然です。
次の瞬間から相手の雰囲気がガラッと変わりました。「私に聞く気がない」と判断した相手は、さらに単調な口調となり、早口にマニュアル通りの説明をして、そそくさと帰っていきました。もしあのとき、私が相手に気持ちよく話をしてもらう配慮ができていたら、より良い提案を受けられていたかもしれません。
逆に、良い例もあります。ご縁があってインターネットメディアの対談に参加したときのことです。そのときの対談相手の言葉がとても印象的だったのです。彼は、「周りの人たちは、常に笑顔と笑い声を絶やさず、餅つきの合いの手のように盛り上げてください。そうすることで私たちは気持ちよく対談できます。結果として、それが良い内容に結び付くのです」と言いました。その人が対談に慣れていたこともありますが、アドバイス通りにした結果、確かにその場は非常に盛り上がり、中身の濃い対談ができました。
関係者の中には、仕事として笑顔をつくり、笑い声を発し、合いの手を入れていた人もいたはずです。全員が心を込めていたわけではないでしょう。しかし、それでも、人は周りの笑顔や笑い声から力をもらい、前向きになれるものです。実際、私もそうでした。
多くの人は商談前に、「シナリオ作りも含め、事前準備を怠らないように」と教えます。とても大事なことですが、私はここに、「笑顔」と「笑い声」も準備するようにしています。プロのアナウンサーは、本番前に鏡の前でニーッと歯を出して笑顔の練習をするそうですが、これと同じです。実践してみれば分かりますが、「笑顔」と「笑い声」には、皆さんが考えている以上の効果があります。皆さんの「笑顔」と「笑い声」は相手にも伝わり、とても良い雰囲気でビジネスを進めることができます。ぜひ、試してください。
以上(2019年7月)
pj16965
画像:Mariko Mitsuda