おはようございます。突然ですが、皆さんは「ゆるブラック企業」というものをご存じでしょうか。長時間労働やハラスメントなどがなく、労働環境は良好な一方で、社員が仕事に「やりがい」を感じられない会社のことをいいます。ゆるブラック企業に勤める社員の中には、「ここにいても自分は成長できない」と見切りを付けて転職してしまう人が少なくなく、特に若手ほどその傾向が強いそうです。
実は、私は「ウチの会社もゆるブラック企業なのではないか」と考えています。当社はここ数年、皆さんの働き方改革に心を砕いてきました。テレワークやフレックスタイム制を導入し、ハラスメント防止のためのルールも整備し、働きやすさに関しては以前よりだいぶ改善されてきたのではないかと考えています。
一方、そこに注力しすぎるあまり、皆さんの仕事の「やりがい」については、正直少しおざなりになってしまった自覚があります。本当はもっと難しい仕事を与えていいはずなのにその仕事を用意できなかったり、スキルアップのための環境を十分に整備できなかったり……。これは最終的には、社長である私の責任であり、反省しなければなりません。
ただ、私自身も反省すべき点があるという大前提のもとで、管理職である上司の皆さんと、その部下である若手の皆さんにも、ぜひ考えてほしいことがあります。
まずは、上司の皆さんです。皆さんは本来、部下に振るべき仕事を、ちゃんと振れているでしょうか。例えば、「自分でやったほうが速い」と、上司自ら処理してしまっていないでしょうか。皆さんが自分のところで仕事を抱え込んでしまっていては、部下はいつまでたっても成長しません。皆さんのほうが速くこなせるとしても、部下に仕事を振り、なおかつ締め切りに間に合うようマネジメントするのが皆さんの役割です。部下を成長させるのも上司の務めだと、改めて自分に言い聞かせてください。
そして、若手の皆さん。もしも、上司が皆さんに仕事を振ってこないのだったら、自分から仕事を取りに行ってください。確かに部下に仕事を振れない上司にも問題がありますが、一方で上司が部下である皆さんに対し、さまざまな面で気を遣っているのも事実です。例えば、「今、部下が抱えている仕事に注力してほしい」「プライベートを大事にしてほしい」といった具合です。そこを「私は難しい仕事に挑戦して、もっと成長したいんだ」というのであれば、皆さん自身が声を上げなければなりません。
ゆるブラック企業の問題は、誰か1人だけが頑張ったからといって解決できるものではありません。上司の皆さん、部下の皆さん、そして社長である私、それぞれが手を取り合い、「成長できる環境」をつくるための努力をして、初めて解決できるのです。
以上(2024年8月作成)
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画像:Mariko Mitsuda