おはようございます。今日は「休暇」に関する話をします。適度に休み、心身のコンディションを整えて仕事のパフォーマンスを上げるのは、ビジネスパーソンの大事な心得の1つです。もちろん、皆さんの多くが休暇をちゃんと取っているのは知っていますが、なかには「仕事が忙しいから」といって休みたがらない人もいます。
今日は、改めて私から言わせていただきます。休暇は皆さんに与えられた権利ですから、ちゃんと取ってください。そして、もう1つ。休暇を取ったら、ぜひ「旅行」に行くことをおすすめします。
なぜ、旅行に行ってほしいのか。最近の私の経験からお話しします。私は先日、家族と一緒に伊豆に行ってきました。温泉に入るのが目的でしたが、そこに向かうまでの道中からして、とても楽しいものだったのです。
今回、熱海からローカル線に乗って伊豆に向かったのですが、行く先々の駅の造りが昭和チックで、子どもの頃を思い出してノスタルジーに浸れましたし、晴天の中、緑豊かな山々や美しい駿河湾が見られて、とても心が癒されました。
また、普段はビジネス関係の書籍ばかり読んでいるのですが、今回はせっかく伊豆に向かうのだからと、久しぶりに小説を読んでみました。皆さんもご存じ、川端康成(かわばたやすなり)氏の「伊豆の踊子(いずのおどりこ)」です。一人の青年と旅芸人一座の踊子の淡い恋愛を描いた小説ですが、誰かと旅をしながら孤独だった青年の心が解きほぐされていくストーリーが胸を打ちましたし、ちょうど電車のルートが小説に出てきた場所を通るので、主人公の旅を追体験しているようで楽しめました。
ここまでは、「癒された」「楽しかった」という話ですが、ビジネスパーソンとして心を揺さぶられる体験もありました。私が泊まった宿の温泉は大正時代に採掘されたものなのですが、今のように採掘の技術も優れていなかった当時の人々が、いかに苦労して温泉を掘り当てたかが記されていました。当時の様子をうかがい知れる写真や建物も残っていて、「仮に恵まれない環境にいたとしても、簡単にチャレンジを諦めてはいけない」と身が引き締まる思いでした。
ひたすら私の旅行話になってしまいましたが、私が伝えたいのは「旅に出て、いつもと違う環境に身を置いてみると、得るものがたくさんある」ということです。
もちろん、休暇の使い方は各々の自由ですから自宅で休むのも結構ですし、「旅行はお金も体力もいるからちょっと……」という人もいるでしょう。ただ、一度旅に出てみて、さまざまな面から刺激を受けると、自分の中の「あれをやってみたい」「これをやってみたい」という気持ちが揺り動かされ、休みが明けたとき、元気良く仕事に臨めるのです。月並みな話ではありますが、ぜひ皆さんも旅に出てみてください。
以上(2024年7月作成)
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画像:Mariko Mitsuda