「上司に褒められた」「プレゼンテーションがうまくいった」「新しい顧客を獲得した」「資格試験に合格した」「ダイエットでウエストが5センチ細くなった」など、人生にはさまざまな成功があります。
成功したときのいいようもない充実感、達成感、高揚感は非常に心地よいものです。人生においても、仕事においても成功体験が多いほど楽しいものであり、一つでも多くの成功体験を重ねていきたいものです。
よく「失敗から学ぶ」という言葉を聞きますが、「成功から学ぶ」ことも同じように重要です。また、「過去の成功体験を忘れろ」もよく聞く言葉ですが、忘れる前にすることがあります。それは、その成功をしっかりと分析することです。
世の中には「高い確率で成功できる人」がいます。こうした人は「成功の理由をとことん追究して次に生かしている」のです。失敗したときに「なぜ、失敗したのか」を分析するのと同じように、成功した次にやるべきことは、「なぜ、成功したのか」を分析し、理由を追究することです。成功を「あのときはラッキーだった」で終わらせてしまっては次の成功につながりません。成功に至った理由を追究して自分の頭と体に叩き込み、それを自分の「成功法則」にすることができれば、次も成功に導けるかもしれません。
自分の「成功法則」を整理するために、今日から二つのことを実践してください。
一つは、上司、同僚、家族、友人など身の回りの人に自分の成功体験を話してください。そうすることで、「あのとき、自分はこう思っていた」「相手の気持ちをこうして察した」など、成功した理由が客観的な言葉になって整理されてきます。
中には後付け的に出てくる理由もあるでしょうが、問題ではありません。それは、自分の成功を自分自身が分析した結果だからです。また、皆さんの話を聞いた上司や同僚などがいろいろと質問してくるでしょう。それに答えていくことによって、自分では気づかなかった新しい視点も生まれます。そして、このときに、話し相手の成功体験を聞くようにしましょう。人の成功体験は思った以上に刺激になります。
もう一つは、成功体験を「原因と結果」で整理して一冊のノートにまとめることです。この「私の成功ノート」には、成功の秘訣が文字で記されます。文字にすることで、成功がより具体化します。
経営の神様といわれた松下幸之助氏は「成功している会社はなぜ成功しているか。成功するようにやっているからだ。失敗している会社はなぜ失敗しているか。失敗するようにやっているからだ」といいました。
皆さんが成功するためには、これまで成功した理由を知り、そこから成功の法則を見つけ出し、その法則通りにやるより方法はありません。
最後に、成功するためにはチャレンジし続ける勇気を持つことも忘れてはなりません。大きな成功をした後ほど、「次は前ほどうまくいかないかもしれない」と気持ちが後ろ向きになりがちです。しかし、人生にもビジネスにも、かならず次のチャレンジが到来します。当たり前のことですが、チャレンジがなければ成功もありません。成功と失敗を多く経験し、その都度、理由を追究して自分のものにしていくことでしか、自分の「成功法則」を完成させることはできません。
以上(2022年8月)
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画像:Mariko Mitsuda