【ポイント】
- 独り善がりで、一方的に話していたら、お客さまは聞く耳を持ってくれない
- 大きな声でハッキリとした口調で話すことをおろそかにしない
- まともな話し方ができなければ、営業のスタートラインにも立てない
先日、「お客様に私の話を真剣に聞いていただけなくて、悩んでいます……」という相談を若手社員から受けました。そこで、私がお客様役になり、彼にいつもやっているように話してもらったのですが、「お客様が話を聞かない気持ちが分かる」というのが率直な感想でした。彼の話には、2つの問題があったのです。
1つ目は、独り善がりで、一方的に話していたことです。営業担当者は「売りたい!!」という気持ちを強く持っています。売るために、お客様に自分の考えや知識を伝えたいと強く思うほど、独り善がりで、一方的に話しがちです。しかし、お客様の立場になってみてください。「営業」と聞けば、多くのお客様は「売り込まれそう……」と身構えます。その上、一方的に話しては、お客様は一歩引いてしまい、聞く耳を持ってくれません。皆さんの周囲にいる優秀な営業担当者を観察すれば、一方的に話すのではなく、お客様との会話を大切にし、お客様の求める情報を提供していることが分かるはずです。
2つ目の問題は話し方です。くだんの若手社員は、小さな声で語尾も曖昧な話し方でした。皆さんは大きな声で、ハッキリとした口調で話していますか? たとえ営業担当者が有益な情報を話していても、小さな声で「ボソボソ……」と自信なさげでは、熱意を感じられません。内容以前に、聞く気が半減します。一方、同じ内容でも、大きな声でハッキリとした口調で話されれば、気持ち良く、より真剣に聞こうという気になります。まず耳を傾けてもらうために、大きな声でハッキリとした口調で話すことをおろそかにしてはいけません。
私たちがお客さまから選ばれるためには、商品のスペック、価格、対応の迅速さなど、私たちの優れた点をお客様に認めてもらうことです。そのために一役買うのが、話し方だといえます。
もちろん、話し方が優れているだけでは、ビジネスで成功を収めることはできません。しかし、まともな話し方ができなければ、スタートラインに立つことさえかなわないのです。その点を強く認識しておいてください。
以上(2025年10月作成)
pj16830
画像:Mariko Mitsuda