けさは皆さんに、忙しくてもコツコツと日々の努力を積み重ねていくための、「3つのコツ」についてお話しします。
1つ目のコツは、「継続は大切であると、日ごろから自分に言い聞かせること」です。例えば、「千里の道も一歩から」「ローマは一日にして成らず」など、コツコツと努力を続けることの大切さを表すことわざを、毎朝声に出してみるのです。
とはいえ、ただ声に出すだけでは意味がなく、どのような思いを込めて言葉にするかが大切です。例えば、私の座右の銘は「塵(ちり)も積もれば山となる」ですが、塵というものは、努力の有無によってプラスにもマイナスにも作用する、怖いものです。努力を続ければ目標に近づくための「プラスの塵」が積もっていきますが、努力を怠ると、何事も先延ばしにしがちな怠惰な自分を形成する「マイナスの塵」が積もっていきます。だから、私はこのことわざを声に出すときは、「プラスの塵」をためようという意気込みと、「マイナスの塵」をためてはいけないという自分への戒め、両方の思いを込めるようにしているのです。
2つ目のコツは、「忙しさの度合いによって、努力の量を柔軟に変えること」です。皆さんも、仕事が忙しいときにデスクの片付けや、後輩からの相談事を後回しにしたり、仕事で疲れているときに食事をインスタント食品や外食で済ませたり、普段やっているトレーニングや自己啓発をやめてしまったりした経験があると思います。
そのようなときは、「やるか、やらないか」という二択にせず、努力の量を柔軟に変えるのです。先程の例であれば、デスクに物を置く数は3個まで認めて、それ以上に増えそうなときだけ片付ける、後輩から相談されたら5分と決めて話を聞くといった具合です。忙しいときの食事は栄養補助食品を併用する、勉強は1日1問解く、トレーニングは5分で終わらせるなど、時間や回数など最低限の範囲を決めておくのもよいでしょう。たとえ努力の量を変えたとしても、続けている限り目標には確実に近づいていきます。
3つ目のコツは、「努力で成功を勝ち取ったという実績を作ること」です。1つ目と2つ目のコツを押さえ努力を積み重ねていても、それがなかなか結果に結びつかないと、焦りや不安を感じるものです。そんなときに自分を支えてくれるのは、「努力で成功を勝ち取った過去の自分」です。
忙しいときでも積み重ねていった「プラスの塵」は、自信や信頼を生み出します。「あんなに忙しかったときでも継続できた」「難しい課題であっても乗り越えられた」という自信は、努力の継続を後押ししてくれるはずです。
面白いことに、この3つのコツを押さえると、仮に怠けてみても、どこか落ち着かない気分になり、自然と努力する自分に立ち戻れるのです。忙しさはいっときですが、努力の積み重ねは一生の財産になります。忙しさを理由に、その財産を蓄えることを諦めないでください。
以上(2023年7月)
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画像:Mariko Mitsuda