ビジネスにおいてコミュニケーションがとても重要なスキルであることに、皆さん異論はないでしょう。ビジネスの現場では常に多くの関係者とのコミュニケーションが求められるためです。

コミュニケーションの第一歩は伝えたいことを言葉にして「話す」ことです。言うなれば、この朝礼もコミュニケーションの一つです。とはいえ、私が伝えたいことを話したからといって、そのことを皆さんに受け取ってもらえるとは限りません。1対1の会話でも伝えたいことが伝えられないことは少なくありません。まして、大人数相手に伝えたいことを正確に伝えるのは、思った以上に難しいのです。

人と人のコミュニケーションが大切なのは、家庭においても同じです。先日、同窓会に参加したのですが、ついつい帰宅が遅くなってしまい、妻に怒られてしまいました。理由は、私の帰りが遅いことに妻が腹を立てたのです。私としてみれば「同窓会なのだから、帰りが遅くなるのは分かっているだろう」と思っていたのですが、妻にしてみれば「遅くなるのだったら、事前に電話してくれればよいのに」と思っており、連絡がなかったのが不満だったようです。10年以上も一緒に住んでいる夫婦ですら、このようなささいなことで思い違いがあるのですから、会社において、社員間で思い違いが起こるのは当たり前なのです。

思い違いが起こったとき、私たちは往々にして、相手を責め自分の行動を省みることはありません。例えば、「これくらいのことは察してくれればよいのに」と思い、相手に対する説明が十分でなかったことはあまり反省しないのです。実は、私もその一人です。そもそも、一人ひとり物事に対する考え方が異なり、置かれている立場も違う以上、相手が自分と全く同じ考えであるわけがありません。むしろ、全く別の考えであるほうが自然かもしれません。

こうした思い違いを回避するためには、日ごろから十分に話をし、コミュニケーションをとることです。「何を当たり前の話を」と思われるかもしれませんが、私を含めて、ほとんどの人ができていないように思います。

それは、コミュニケーションで最も大切なことが意識から抜け落ちているからです。子供としっかりコミュニケーションをとるには何が大切かを考えれば分かります。コミュニケーションで最も大切なのは、話す「量」なのです。会話時間と言い換えてもよいでしょう。

話の内容は何でもよいのです。相手が子供であれば、遊びのこと、友達のこと、学校のこと、好きなアニメやゲームのことになるでしょう。

相手が部下や同僚の場合、仕事のことでも、プライベートのことでも構いません。いろいろな話をたくさんすることです。そうすれば、その人の考え方が分かってきます。相手も自分のことを少し理解してくれるようになります。

夫婦の会話が増えれば、夫婦円満になるように、職場での会話が増えれば、社員が互いに分かり合え、職場は明るくなります。

さあ、今日、話す相手を決めてください。私と話したい人はいますか。

以上(2022年12月)

op16467
画像:Mariko Mitsuda

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