私の悪い癖の一つですが、仕事で気になることができると、会社を出てからも仕事が頭から離れないことがあります。食事をしながら、シャワーを浴びながら、ベッドで横になりながらも仕事のことが頭から離れず、人の話も右耳から左耳へ抜けていくという状態です。「ちゃんと話を聞いているの?」と言われて我に返ることもよくあるので、家族や友人たちにはよく呆れられています。
仕事を離れたところでも、仕事のことを考えているなんて、とても仕事熱心だと思うかもしれません。しかし、仕事は仕事、プライベートはプライベートです。当たり前のことですが、仕事をするのは自分や家族の生活のためであり、仕事に没頭しすぎてプライベートをないがしろにするべきではありません。
それに、仕事を離れたところで仕事について悩み、考えなければいけない状況とは、裏を返せば仕事がうまく進んでいないということでしょう。私の場合も、明日の業務の予定が気になるといった類の悩みではなく、大抵は、時間が迫っているのに、よい対応が思い当たらないなど、本来ならば事前に余裕を持って対処しておくべきだった仕事がうまく処理できず壁にぶつかり、家でも仕事のことを考えざるを得ないというのが実情です。
本来、仕事は会社で済ませるというのが正しいあり方でしょうが、みなさんが日々対応しなければならない仕事は少なくありません。しかし、「多少予定に遅れが出るのは仕方がない」などと思って仕事を進めないようにしてください。仕事はできるだけ余裕をもって段取りし、それでも時間が足りないようならば、代わってもらえる仕事は人に頼み、一番頭を悩ませている難題に対してじっくり向き合って考えるべきです。そうすれば、家で仕事に頭を悩ませることもなくなるはずです。
仕事を離れているときに仕事のことを考えるのはよいことではありません。しかし「考えるな」と言っても、仕事が頭から離れないときがあるのも事実です。
そんなときは、思い切って悩み、考えることに集中するというのも一つの方法です。ただし、食事をしながら、ベッドで横になりながらなど、何かをしながらでは集中できずよい考えは浮かびません。考えるなら、起き上がっていすなどに座り、考えることだけに集中するほうが、それまでに気付かなかった点が明らかになり、なかなかまとまらなかった考えを整理することができるでしょう。
どうしても仕事が頭から離れないときには、自分が納得できるまで集中して悩み、考えてください。そして、その後はおいしい食事をとるなり、スポーツを楽しむなり、十分な睡眠をとるなり、積極的に休んでください。このメリハリがよい仕事生活を送るための秘訣だと思います。私もこれから、それを強く心がけたいと思います。
以上(2023年7月)
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画像:Mariko Mitsuda