皆さんは仕事をする際に、まずは目標を立てて、それに向かって行動することでしょう。目標の中には、会社や上司から与えられたものもあれば、皆さん自身が考えて立てたものもあるでしょう。
ここで、皆さん自身が立てる目標について確認したいのですが、皆さんが立てる目標には具体的な期限、内容はありますか。
目標というのは、例えば「売り上げを上げよう」「頑張って仕事をしよう」など、ただ漠然と立てるだけではいけません。目標を設定する際には「いつまでに、どれだけの成果を出す」というように、期限と内容を具体的に決めることが大切です。
皆さんが目指す、最終的な目標を大目標としましょう。この大目標を達成するためには、まずは期限と内容を決めた小目標を決めて、その小目標の達成を着実に積み重ねながら大目標に近づく。それが重要なのです。
会社の目標の例でいうと、大目標は「今年度の売上高を対前年度比で10%増やす」です。これを実現するための途中経過として、小目標を立てます。小目標は「毎月の売上高を対前年同月比で10%増やす」です。小目標が毎月達成できれば、大目標も達成できます。仮に、小目標が達成できていない月があれば、翌月に小目標の修正を行わなければなりません。目標達成への道のりが当初の予定通り進んでいないことが途中で分かり、軌道修正して改めて大目標に向かって進んでいけるのは、小目標を設定した効果なのです。このことを、資格取得を例に考えてみましょう。皆さんの中には日々の業務をこなしながら、「何か仕事に役立つ資格を取りたい」と思っている人がいるかもしれません。
しかし、ただ漠然と思っているだけでは「今は忙しいから」などと自分に言い訳を付けてしまい、結局、目的は達成されることはないでしょう。
私の知人が資格取得に向けて努力していたとき、彼は「土日に資格取得学校に通う」「毎日2時間を勉強に費やす」「次回の模試で正答率70%を達成する」といったように、資格試験に向けて段階ごとの具体的な目標を設定していました。いきなりゴールを目指すのではなく、このように小目標を立て、つまりいくつものチェックポイントを設定することで、目標達成への道筋をハッキリさせることができます。そうすれば、当然に緊張感も高まり、やる気もわいてきます。
達成したいことが、「目標」ではなく「夢」であれば、そこまで具体的に考える必要はありません。しかし、仕事における目標は会社、お客様、株主などとの約束であり、達成することが求められます。
ですから、皆さんが仕事で目標を立てるときには、必ず期限と内容を設定してください。そして、内容は数値で分かるものが望ましいでしょう。
そして、大目標の達成に少しでも不安があれば、目標を時間ごとに区切り細分化し、小目標を設定してください。まずはそれを達成していくことです。
仕事は一つひとつの小さなことの積み重ねから成り立っています。大目標を目指すには、小目標を一つひとつ確実に達成していくことしかありません。
まずは、今日の目標、今週の目標、今月の目標といった小目標を設定し、それを達成することに全力を尽くしましょう。それが、将来の大目標達成という大きな果実を得るための一番の近道です。
以上(2022年10月)
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画像:Mariko Mitsuda