皆さん、おはようございます。今日が2023年最後の朝礼です。2023年、私から皆さんへの最後のメッセージは「勝つ」ことへのこだわりです。
私たちは営利法人ですから、利益を上げなければ生き残れません。つまり、倒産です。帝国データバンクなどの信用調査会社の発表では、2023年の倒産件数は増加傾向にあるそうです。倒産してしまう理由はさまざまでしょうが、その一つには、コロナ禍の企業延命措置として実施されたゼロゼロ融資の返済があります。コロナは私たちだけで解決できるものではありません。私がマネジメントスクールに通っていたとき、企業を取り巻く環境には、外部環境と内部環境があり、外部環境の変化には抗いにくいと教えられました。コロナはもちろん、不安定な国際情勢や物価高は、私たちだけの力で変えることができない外部環境です。
ただし、「外部環境だから仕方ない」とその変化に流されるだけでは、会社は倒産してしまうでしょう。外部環境が目まぐるしく変化する中でも、私たちは勝つことに執着しなければなりません。
そのことを改めて教えてくれたのは、あの大谷翔平選手です。日本時間で12月15日の朝に大谷選手のドジャース入団会見が行われました。その内容はテレビなどで放送されましたし、あっという間にSNSで拡散され、ネットニュースも数多く出ました。いつも通りの真摯でありつつも、ユーモアを交えた「大谷節」が繰り広げられる中、私が最も心を打たれたのは、大谷選手がドジャースを選んだ理由です。
会見の中で、ドジャースの首脳陣が大谷選手に「この10年間を成功だと思っていない」と伝えたことが明らかになりました。ドジャースは優れた成績を残している名門チームで、ポストシーズンには11年連続で進出しています。ただ、その間にワールドシリーズで優勝したのは、コロナ禍のために試合数の削減などの特別ルールが設けられた2020年の1回だけです。
見方によっては、ドジャースの成績は十分に素晴らしいものです。しかし、首脳陣はさらなる高みを目指していて、その姿勢が大谷選手に響いたのでしょう。大谷選手も「勝つことが今の僕にとって一番大事」と語っており、勝ちにこだわるそれぞれの思いが合致したのだと私は感じました。
ここ数年、「勝つ」ということに対する意識が変わってきたと感じることがあります。勝つ側がいれば負ける側もいるわけで、それを「優劣」に置き換えるのを問題とする意見もあるからです。しかし、大谷選手や私たちの「勝つ」とは、相手をボロボロに打ちのめすことではありません。自身の想いに正直になり、夢を叶えることこそが「勝つ」ことに他なりません。
2023年の成功と失敗を糧として、2024年、私たちは「勝つことに貪欲な組織」になります。その先には、素晴らしい未来が待っていることでしょう。
以上(2023年12月)
pj17169
画像:Mariko Mitsuda