皆さん、日々の仕事は順調ですか。仕事を順調に進めるためには、上司や同僚・部下との協力が必要不可欠です。もし、何かうまくいかないことがあれば、そういう人たちからアドバイスを受けることです。具体的な解決策を教えてくれるかもしれませんし、叱咤(しった)激励されるかもしれません。

本日は皆さんに、「家に諌(いさ)むる子あればその家必ず正し」という言葉を紹介します。

これは、中国の思想家・孔子(こうし)の教えに基づいた「孝経(こうきょう)」という書物にある故事成語です。読んで字のごとく、家に過ちを指摘する子供がいればその家は正しい方向に向かう、という意味です。

ここで、「家」を「会社」、「子」を「社員」と読み替えてみましょう。「会社に諌(いさ)むる社員あればその会社必ず正し」となります。この言葉はビジネスの場においても、大きな意味を持っています。

仕事をする上で、怠慢による失敗、社会的な倫理規範に反する行為、明らかな不正な行為があれば、会社の信用は失墜し、お客様、お取引先、また、ほかの社員に大きな迷惑を掛けてしまいます。また、皆さんが、自らが意図的に行わなくても、知らず知らずのうちに、不正や過ちを犯してしまうことがあるかもしれません。不正や過ちではなくても、仕事を進める上での手順や方法が明らかに間違っていることもあるでしょう。

このような場合、間違いに気付かないままでいると、業務に混乱が生じ、ひいては大きな損失につながる恐れがあります。

同僚や部下からの諌言(かんげん)は耳が痛いかもしれません。しかし、一人で「自己流」のやり方だけで仕事をしていると、どこかで知らず知らずのうちに過ちを犯してしまう可能性があります。

もう一つ、忘れないでもらいたいことがあります。ここで言う諌(いさ)むる社員は皆さん全員ですし、その対象となる社員も皆さん全員です。

皆さんは同僚や部下に対して諫言(かんげん)をすることは容易にできるでしょう。しかし、上司に対して諌言(かんげん)するのはとても勇気がいることですが、それでもお願いします。

ただし、部下の皆さんが上司に諌言(かんげん)するときは、言い方に注意を払い丁寧な言葉で意見を述べてください。そうしないと、上司が機嫌を損ねて、部下の皆さんの意見を聞く耳すら持たなくなるかもしれません。こうなると、部下の皆さんの勇気が無駄になります。

私としては、上司の皆さんには大きな度量で、諌言(かんげん)してくれる部下の心情と意見をしっかりと受け止めてほしいと思っています。それが会社のためになるのです。

互いに諌(いさ)め合い、そして人の諌言(かんげん)には真摯に耳を傾ける姿勢を持ちましょう。私にも諌言(かんげん)でかまいませんので、遠慮なく意見してください。

以上(2023年5月)

pj16515
画像:Mariko Mitsuda

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