今日は、散歩についてお話しします。歩くことは健康にいいのはもちろんのこと、そのほかにもメリットがあります。
散歩といっても、もっぱら運動目的で歩く場合はウォーキングになります。ウォーキングは1分間で100メートル、時速にすると6キロメートルのスピードです。これは、男性の急ぎ足、例えば、忘れ物に気が付いて、少し急いで戻るときのペースです。こうした歩き方をするにはトレーニングウエアにウォーキングシューズが必要です。ビジネススーツ・ビジネスシューズで歩くには無理があります。
私がお勧めするのは、時速4キロメートル程度の速すぎず遅すぎずというペースで、少し長めの距離を歩くことです。要は長めの散歩と考えてください。
散歩は、健康であれば誰でもできることです。散歩にはたくさんの効用があります。腕を振って歩くので、筋肉運動になります。長く歩けば有酸素運動となり、ダイエットにもわずかながら効果があるでしょう。汗をかくので代謝がよくなります。街を歩けば、そこには新しい発見があります。私の場合、最も効果があると感じているのは、脳が活性化されるのか、よいアイデアが浮かんだり、不安が解消されたりすることです。
歩いていると、考えたくなくても次から次へと考えが浮かんでくるのです。机に向かって熟慮していると、思考が煮詰まった状態になりがちです。そうしたとき、私は散歩に出かけるようにしています。
すると霧が晴れたように、混乱していた思考の整理ができるのです。例えば、「今後の経営方針」「仕事の具体的な進め方」「取引先への提案内容」「部下への指導方法」など机に向かっているだけでは、思い浮かばなかったようなことに気が付きます。皆さんも、思考がまとまらないときには、会社の周りを散歩してください。
お昼休みを利用して20~30分散歩するだけでも、効果はあるでしょう。より長い距離を歩くのであれば、通勤を利用し、1~2駅を歩いてください。
私は仕事の壁にぶつかって悩んでいる社員に「よく考えなさい」とアドバイスしてきました。それでも壁を破れない社員には「もう一度よく考えなさい」と言ってきました。しかし、これは間違っていたのかもしれません。壁にぶつかって悩んでいる社員の多くは、実はよく考え抜いたものの、結果がうまくいかなかったのです。
今の私のアドバイスは「よく考えなさい」、それで駄目なら「散歩に出かけなさい」と言います。何より、気分転換になりますし、思考が整理でき、気持ちが前向きになるからです。
散歩は体に大きな負担にならず、気分を爽快にしてくれます。皆さんの心と体の健康のため、仕事のためにも、散歩をお勧めします。
少し春めいてきて、暖かくなってきました。皆さん(私といっしょに)、散歩に出かけましょう。
以上(2023年3月)
pj16471
画像:Mariko Mitsuda