先日、ある会社の窓口担当者の言動を見て、自分たちも改めて気を付けようと思ったことがあるので、皆さんと共有します。

その窓口担当者の会社は、マーケティング関係のコンサルティングを行っており、当社と一緒にクライアント向けの案件を進めています。ここ半年くらいは月に3~4回、メールや電話でやり取りをしてきました。先日、その案件が成功を収めたので、私から窓口担当者にメールを送りました。そのときのことです。

メールには、今回のお礼と、当社が今後考えている展開を簡単にまとめた上で、最後は「当社でお役に立てることもあるかと思いますので、また、ぜひ一緒にやりましょう。一度お打ち合わせをお願いします」という趣旨の文章で結びました。窓口担当者とは、先方の代表や役員も含めた場で、今後一緒にさまざまなビジネスを展開していこうと、何度も話をしていたからです。私としては、窓口担当者からも、同様の趣旨のメールが返ってくるものと期待していました。

ところが、全くそうではなかったのです。窓口担当者から返ってきたのは、「ありがとうございます。必要な場合は、こちらからご連絡します」というそっけないメールでした。

「今後のビジネス展開」は当社側の独りよがりだったのか、先方の意に沿わないことがあったのか。いずれにしても何かしら迷惑を掛けたのかもしれないと、私はおわびのメールを返しました。

結果から言えば、それは私の取り越し苦労でした。おわびのメールを返したその日のうちに、先方の代表から「ぜひ一緒にやりたい」と電話があり、現在は別の案件を共に企画しています。代表は電話口で、窓口担当者が私にそっけないメールを送ったことを、しきりに謝っていました。

皆さんは、この話を聞いて、どう思いますか。皆さんも日ごろ、この窓口担当者と同じようなことを、相手に対してしてはいないでしょうか。

私はこの窓口担当者が、メールに「感情をもっと込める」ことができればよかったのだと思います。窓口担当者は、今後一緒にビジネスを展開することを立場的に即断できなかったのかもしれません。それでも、「私見ですが、一緒にできたらうれしいです」「私も、もっと御社の今後の展開をお聞きしたいです」という「窓口担当者自身の感情」を込めることはできたでしょう。

ビジネス上の付き合いは、気心の知れた友人とのそれとは違います。相手が何を考えているか分からない場合も少なくありません。だからこそ、「ありがたい」「うれしい」「一緒にやりたい」といった感情を込めて接していくことで、その後の関係性が大きく変わってくるのです。

皆さん、今日から、感情をもっと込めて周りと接することを心掛けてみてください。苦手な人は、いつものメールに、「うれしいです」など、一言感情を添えてみましょう。ビジネスの広がりは、その一歩から始まります。

以上(2019年5月)

pj16959
画像:Mariko Mitsuda

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