今日は、私の好きなものをテーマに話をしたいと思います。私は漫画が大好きで、少年時代は、「ジャンプ」や「マガジン」などを読みあさっていました。ジャンルも、SF、ファンタジー、ミステリー、スポーツ、ラブコメディーなどさまざまです。社会人になってからは忙しくなり、漫画を読む機会が減りましたが、そんな今でも漫画好きの少年の心が燃え上がるタイミングがあります。
それは、昔好きだった漫画が「実写化」されるときです。最近だと、例えば幕末の剣豪が明治時代の人々を守るために戦う漫画「るろうに剣心」の実写映画などが注目を集めました。実写化のニュースを聞くと、「どの俳優さんがどの登場人物を演じるのだろう」「原作の名シーンをどう表現するのだろう」と気になり、自然と映画館に足を運んでしまうのです。
私が特に「映画を見てよかった!」と感じるのは、原作の良さを残しつつ、原作にない映画だけの“オリジナル要素”がブレンドされた作品に出合えたときです。例えば、SFやファンタジーの作品の場合、原作では早めに死んでしまう登場人物が映画では生き残って活躍するなど、“いい意味”で期待を裏切られると心が躍ります。ただ、この“オリジナル要素”というのはくせもので、例えば、登場人物の特徴のある見た目や性格など、ストーリーの根幹に関わる部分にまで修正を加えてしまうと、映画の内容が原作からかけ離れたものになり、面白さが半減してしまいます。
製作スタッフは、観客が原作を知っていても映画を楽しめるよう、“オリジナル要素”に工夫を凝らします。しかし、私たちが映画館に足を運ぶのは、「好きな登場人物やシーンが実写でどう描かれるかを見たいから」であり、スタッフが工夫を凝らし過ぎてそのニーズが満たされなくなると、映画を心から楽しめなくなります。
私が今日この話をした理由は、お客様に商品やサービスを案内するときの自分自身の行動について、最近反省することがあったからです。これまで、私は新しい商品やサービスが出るたびに迷わずお客様に案内をしてきました。
しかし、先日お客様の1人から、「いつも新商品とかを案内してくれるのはうれしいのだけど、別に新しいものが欲しいわけじゃないんだよね」と言われてハッとしました。私は新しい商品やサービスを案内することばかりに気を取られ、お客様が本当は何を求めているのかを真剣に考えていなかったのです。
だから、今日ここで宣言します。私はお客様のニーズを誰よりも考える社員になります。どのような課題を抱えているのかお客様からよく話を聞き、当社の商品やサービスでどのような解決策を提示できるのか、真剣に考えます。次に朝礼の場に立つときは、お客様の課題をどうやって解決したか、そのストーリーを皆さんにお伝えします。1本の“映画”をご覧いただくつもりで、楽しみにしていてください。
以上(2021年6月)
pj17058
画像:Mariko Mitsuda