いつもこの朝礼では、なるべくポジティブな話をするように努めていますが、今日は私の反省を込めたネガティブな話から始めます。
私にはとても尊敬する仲の良い経営者Aさんがいます。離れた場所に住んでいるので、実際に会えるのは年に2回くらい、あとはオンラインやチャットで頻繁に情報交換、意見交換をしています。そんなAさんが少し前、たまたま仕事で当社の近くに来る機会があり、多忙な中、私と会ってくれました。久しぶりに会えたので話も盛り上がり、とても楽しいひとときを過ごしました。ただ、Aさんが帰った後、私は少し罪悪感を覚えました。「Aさんはおそらく、今回、私から学べることは何もなかっただろうな」と思ったのです。
この罪悪感の正体は、私がここしばらく、新しいことに全然チャレンジしてこなかったという“後ろめたさ”です。もちろん、新しい書籍を読んだり、経営者同士の交流会に参加したりといった取り組みはずっと継続しているので、昔に比べれば知識や知見は多少増えていますが、それらの取り組みは私の日常にあるもの、「ルーティーン」であって「チャレンジ」ではありません。
自分が慣れ親しんだ「居心地の良い」世界の中で、多少勉強をしたところで達成感は得られません。テレビゲームのRPGに例えるなら、とっくに強くなっているのにスタート地点の大陸から一歩も外に出ず、レベルの低いモンスターだけを倒して、経験値を稼いでいるような状態です。
こんな状況では、尊敬するAさんに「私はこんなことをやっているんです!」なんて、胸を張ることはできません。それが後ろめたかった私は、反省して自分を変えようと決意しました。
私が実践したのは、自分とは全く年代の違う人と出会い、話をすることです。ターゲットは、私が普段の生活ではおそらく知り合うことのない人たち。例えば、「30歳以上年の離れた10代の高校生」「20代の学生」「会社に入ったばかりの新社会人」です。
知り合いを通じて、そういう人たちに積極的に会いに行き、会話をしました。日ごろどのような遊びをしているのか、何に興味があるのか、どういう手段で情報収集しているのか、どういうツールで人と仲良くなっているのか、将来何をしたいか、などなど。
普段では全く知る由もないことを見聞きし、教えてもらい、そこから大いに刺激を受けています。もちろん、周りが若い人ばかりなので、そこに交じっていくのは少し勇気がいりますし、分からない言葉も多ければスピード感にもついていけず、たくさん恥ずかしい思いをしています。ですが、この「居心地の悪い」世界にいるからこそ、「私は今、成長している」と強く実感できるのです。
今日は、私自身の反省を込めてこの話をしました。皆さんもあえて行動を変え、普段とは違った人に会い、違ったことをしてみてください。きっと新しい発見と喜びがあるでしょう!
以上(2024年6月作成)
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画像:Mariko Mitsuda