おはようございます。今朝、管理職の皆さんに集まってもらったのは、来年に実施する当社のオフィスレイアウト変更に向けて、オフィスが持つ意味を真剣に考えたかったからです。
オフィスは仕事をするための場所ですから、そうした意味では、働く人にとって居心地の良い空間でなければなりません。そこで私や管理職の皆さんは、社員が働きやすいオフィスにしようと考えます。実際、当社のオフィスレイアウト変更もこうした経緯から出発しました。働きやすいオフィスを実現すれば、社員のモチベーションが高まることが期待できます。また、魅力的なオフィスをアピールできれば、人材の採用にもつながるかもしれません。
これは当社に限らず、多くの企業にとって重要なテーマになっています。私の知り合いの会社にも、卓球台を設置して自由な雰囲気を醸し出したり、机や椅子の機能性にとことんこだわったりしているところがあり、社員の評判は上々のようです。しかし、それはハードを整えたことによる一過性のものかもしれません。その場で働く人たちのマインドが伴っていなければなりません。
先日、ある有名なIT企業を訪問しました。サービスが優れていることはもちろん、遊び心満載のオフィスやリモートワークによる自由な働き方を実践していることでも知られる会社です。本当にすてきなオフィスだったのですが、印象に残ったのは取締役の意外な発言でした。
その取締役はこう言いました。「どれほどオフィスを奇麗にしても、社員はすぐに飽きちゃいます。リモートワークも実際は効率が悪いです。私はオフィスよりも別のところに投資したほうがよいと思っているのです……」。この発言を聞いた私は確信を得ました。オフィスレイアウトの変更は、ハードを整えるだけでは不十分で、そこに込める“想い”が重要であるということです。
「新しい酒は新しい革袋に盛れ」という言葉があります。解釈はさまざまですが、新しいことをしたければ、新しい環境が必要であると解釈することもできます。私は、レイアウト変更後のオフィスを新しい革袋とし、その中で新しい酒、すなわち新しい企業文化を育みたいのです。起点となるのは、既に皆さんに示している中期経営計画なので、今後も周知徹底していきます。
こうして、新しい革袋の中で新しい酒がなじめば、単なる奇麗なオフィスが整備された会社ではなく、奇麗なオフィスに負けない、社員がいきいき働く素晴らしい雰囲気を持った会社になると信じています。
私の知人に、数多くの会社の顧問を務める、良い会社の目利き役のような人物がいます。その人いわく、「良い会社の社員は躍動している」そうです。この知人を含め、たくさんの知人を招けるオフィスにしましょう。そこでは、皆さんが自由な発想で躍動しているのです。来年、我々は新しいオフィスで大きく成長します。
以上(2018年12月)
pj16938
画像:Mariko Mitsuda