突然ですが、皆さんにおわびしたいことがあります。以前より、新たな取引先を獲得しようと、皆さんに色々と無理なお願いをしていたのですが、私の失敗のせいで契約に至らず交渉が終わってしまいました。大変申し訳ありません。ただ、今回の失敗によって得たものもありました。むしろ失ったものより得たもののほうが大きかったくらいです。今日はそれをぜひ、皆さんに聞いていただきたいと思います。
まずは、今回の失敗の大まかな経緯を説明します。今回の新たな取引先候補となった会社は、これまでお付き合いしている先とは異なる、外資系の新興企業でした。私が懇意にしている取引先の方からご紹介いただいたこともあり、何としてでも新たな取引先にしたいと、上司や先輩からいただいたご忠告もよく聞かずに、強引に交渉を進めてしまいました。
交渉の進め方にも問題があったと思います。最初にコンタクトした時点で、大筋で合意できたと思ってしまって安心し、従来通りの交渉の進め方や条件の提示で問題ないと思っていました。結果的に、この最初のボタンの掛け違いが尾を引き、契約が流れてしまう原因となってしまいました。私の見通しの甘さが招いた失敗でした。
契約に至らなかったことは本当に悔しいですし、何より私自身の力不足を痛感しています。ですが、私は、この失敗によって、とても貴重な財産を得ました。それは「経験」です。
先ほどもお話ししたように、今回の交渉相手は既存の取引先とは異なり、今までの業界の常識が通じない会社でした。交渉をする中で、先方が望んでいる情報や、取引先に選ぶ基準も、既存の取引先と全く異なっていることが、次第に分かってきました。
また、交渉の途中からは、なんとか契約につなげようと、新たなアプローチによる交渉の進め方も試すことができました。今後、こうした会社との交渉が増えていくことも想定されますので、今回の経験が役に立つと思います。
失敗しておいておこがましいとは思いますが、今回の件は、既存とは異なる新たな取引先を開拓するための、試行錯誤の一環だったと思っています。せんえつながら、現時点で新規開拓のノウハウを一番持っているのは、私ではないでしょうか。
今回の経験から、私は、これからも「失敗できる」社員になりたいと思いました。もちろん、同じ失敗をする社員ということではありません。会社から期待され、難しい仕事を与えられるという意味での「失敗できる」社員です。そして、たとえ失敗しても、その過程で自分自身や会社のための貴重な経験を得て、次につなげられる社員こそ、本当の「失敗できる」社員だと思います。
また失敗できるチャンスを得られるよう、まずは今回の失敗を取り返すために頑張ります。このたびは申し訳ありませんでした。これからもご指導のほど、よろしくお願いいたします。
以上(2022年2月)
pj17090
画像:Mariko Mitsuda