今日は、私の友人の笑い話を紹介します。その友人は、スカイダイビングをする予定を立てていましたが、何度も「いざとなったらおじ気づいて、飛ぶのをやめるかもしれない」と言っていました。

彼がスカイダイビングをする予定日が過ぎた頃、私は、はたして彼が飛んだのかどうかが気になって、「飛んだの?」とメールで尋ねてみました。すると、彼からの返信は、「空を飛んだ気持ちは、飛んだ者にしか分からない」という一文だったのです。

皆さんはこの一文から、私の友人がスカイダイビングを無事決行することができたのか、それともできなかったのか、分かるでしょうか? 「飛んだ者にしか気持ちは分からない」というのは、「自分は飛んだ。だからこそ空を飛ぶ素晴らしさが分かる」という感動を伝えているのか、それとも「飛べなかった。だから、自分には空を飛んだ者の気持ちは分からない」と嘆いているのか、どちらなのか分かりません。

メールを読んだ私は思わず、その場で「いったい、どっちなんだ? 聞いたことに答えていないじゃないか!」と笑ってしまいました。

結局、後から「飛んだ」ことが分かり、友人との間では笑い話になりましたが、これが仕事上の話だったらどうでしょうか。プライベートな会話であれば、たとえ「聞いたことに答えていない」としても笑い話で済むことがあるでしょう。しかし、ビジネスシーンではそうはいきません。

ビジネスにおいては、判断したり、次の行動に移したりするために質問をします。聞いたことに答えてもらえなければ、先に進むことができません。時間も無駄になります。

皆さんは、仕事の中で、「聞かれたこと」にしっかりと答えていますか。残念ながら、そうではない人が多いように見えます。特に、皆さんが聞いたことに答えていないのは、「確認したか?」「できたか?」など「はい」か「いいえ」で答えられる質問のときです。

例えば、私や上司が進捗状況を知るために「あの資料できた?」と尋ねると、皆さんは、「この部分は、思うに……」などあれこれと説明し始めます。これでは、聞いたほうは、知りたいことが分かりません。皆さんがまず答えるべきなのは、「できた」「できていない」のどちらかです。

また、仮にできていない場合には、「できていない」と答えるだけでは不十分です。聞いたほうは、どのくらい進んでいるのか、いつできるのかを確認したいのです。「できていません」と事実を答えた上で、「ただし、下調べは済んでおり、他に急ぎの仕事もないので、今日の11時までには完成する予定です」と現状と予定を必ず伝えるようにしてください。相手は、必要に応じてスケジュールなどを調整することができるでしょう。

ビジネスにおいて聞いたことに答えるには、まず、相手の立場に立つことが大切です。今日から、肝に銘じて実践してください。

以上(2022年5月)

op16925
画像:Mariko Mitsuda

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