皆さん、おはようございます。今日は、10月11日に見事、全タイトル制覇を達成した将棋の藤井聡太八冠についてお話したいと思います。

その日、前人未到の偉業を成し遂げた藤井八冠は、その後の記者会見で今後の目標などを尋ねられたとき、何度も「面白い将棋を指したい」というフレーズを口にしていました。それがとても印象に残っています。「面白い将棋を指すこと」が、藤井八冠が理想とする「あるべき姿」であり、やりたいことなのだろうと思いました。

振り返ってみると、藤井八冠は、過去にインタビューで「勝つためには、いかに最善に近づくことしかない」という趣旨の言葉も残しています。

勝って強くなる、面白い将棋を指す、そのためには、余計なことをごちゃごちゃ考えず、「最善に近づく」ことを愚直に突き詰め、実践していく。そうしたとても真っ直ぐなシンプルさを、私は藤井八冠に感じています。将棋に専念しようと高校を中退したことも、この真っ直ぐさの表れではないかと思えます。

これと似ているのが、今年も大活躍した野球の大谷翔平選手です。「世界一、野球のうまい選手になりたい」という大谷選手は、その「あるべき姿」のために真っ直ぐです。彼は打者として、「どんな場面でも、ボール球は見送る。ストライクが来たら振る」という趣旨の言葉を残していますが、藤井八冠の真っ直ぐでシンプルな「最善に近づく」と通じるものがあるのではないでしょうか。

私は藤井八冠や大谷選手の真っ直ぐなシンプルさから2つのことが学べると感じています。

1つは、「あるべき姿」を持つことの大切さです。目標や目的よりもっと高いイメージで持つ、いわば人生においての「あるべき姿」です。どのようなことをやりたいか、成し遂げたいか。どのような人生を送りたいか。大げさに聞こえるかもしれませんが、それは、自分自身の大事な芯、基準、拠りどころ、そうしたものになります。

もう1つは、「あるべき姿」に向かう「真っ直ぐでシンプルな強さ」です。誰かと比べたり周りの目を気にしたり、プレッシャーを感じすぎたりと、そういう余計な雑念を入れず、「いかに最善に近づくか」ということだけを突き詰める。この真っ直ぐでシンプルな強さが、私は好きです。

皆さんは、どうでしょうか。「あるべき姿」を持っていますか。いきなり「あるべき姿」と問われても考えにくいかもしれません。そういう人は、自分はこれから先、何を大事に生きていきたいか。10年後、どうなっていたいか。そうしたことを一度、真剣に考えてみるとよいでしょう。

また、「あるべき姿」を持つことに年齢は関係ありません。何歳からでも、「あるべき姿」を持ち、真っ直ぐに向かうことはできるはずです。すべて、自分次第だと私は思います。

あと2カ月で2023年も終わります。皆さん、今年のうちに、一度、あなた自身の「あるべき姿」を考えてみてください。

以上(2023年10月)

pj17158
画像:Mariko Mitsuda

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