けさは、「時間の使い方」をテーマに話をします。早速ですが、皆さんに3つの質問をします。

1つ目の質問は、お金についてです。「いきなり時間と関係ないじゃないか」と思うかもしれませんが、まずは聞いてください。皆さんは、給料で得た手取り収入のうち、何%を貯蓄や投資に回していますか。総務省の調査によると、日本人は平均で可処分所得の20~30%程度を貯蓄に回しているようです。皆さんの中にも、将来のことなどを考えて、「できるだけ貯蓄や投資にお金を回したい」と思っている人がいるでしょう。

では、2つ目の質問です。皆さんは自分の将来のために、どれだけ時間を使っていますか。自分の人生への投資のため、今やっている仕事のスキルを伸ばしたり、新たな資格を取得したりするための勉強に、どのくらい時間を費やしているかという意味です。ちなみに、総務省の調査によると、日本人が1日の生活時間の中で学業以外の自己啓発に費やす時間は平均で13分程度だそうです。

最後に、3つ目の質問です。皆さんにとって、1日は何時間あると思いますか? 24時間という答えは、正解であって、不正解でもあります。物理的には1日は24時間なのですが、24時間のうちの大部分は睡眠時間など必要不可欠な時間であり、自分の好きなことに使える「可処分時間」は、その一部です。総務省の調査によると、1週間平均の可処分時間は、1日のうちで6時間あまりだそうです。

質問は以上です。では、改めて今回のテーマである「時間の使い方」について考えてみましょう。まず断っておきますが、私は皆さんのプライベートの過ごし方について、あれこれ指図するつもりはありません。趣味や友人たちとの付き合いなど、自分の好きなことに時間を使うことも、人生を豊かにするには間違いなく必要ですし、私も休日などには、映画を見たり、野球やサッカーなどのスポーツの試合を観戦したりして過ごしています。

ただ、意識してほしいのは、皆さんが使っている時間は、「24時間のうちの何分」ではなく、可処分時間である「6時間あまりのうちの何分」なのだということです。例えば、1本の映画、1試合のスポーツを観るのに2時間かかるとしたら、1日の可処分時間の3分の1程度を消費していることになります。

大切なのは、時間の価値を知ることです。「時は金なり」といいますが、時間もお金と同じで使ってしまえば戻ってはきません。もし、「少しも貯蓄や投資に回していないけど、このままで大丈夫かな……」と不安に思うのなら、平均13分程度とされている自己啓発の時間を、少し増やしてみるのも悪くないでしょう。逆に、「それでも、私は今日の2時間を映画やスポーツに使いたいんだ」というのであれば、それもまた価値のある時間です。時間の価値を分かった上で過ごすのと、ただ漠然と過ごすのとでは、過ごす時間の密度も、得られるものも、全く違うはずです。

以上(2022年12月)

pj17132
画像:Mariko Mitsuda

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