ビジネスパーソンには、「できる方法を探す人」と「できない理由を述べる人」の2通りのタイプがいます。難しい局面に遭遇したとき、その違いは顕著に表れます。例えば、これまで取り組んだことのない仕事に挑戦する際に、「よし、必ず実現してみせる」と成功するための方法を必死で考え、検証し、行動する人がいる一方で、「リスクが高い」とか、「技術的に無理だ」などと挑戦することをあきらめている人がいます。
仮に、世の中のビジネスパーソンが「できない理由を述べる人」だけだったら、技術の進歩はなく、社会はとても不便でつまらないものになっていたことでしょう。
わが社においても同じことがいえます。わが社がここまで成長できたのは、私が無理なことを注文しても、実現するための方法を考えてくれる社員がいたからです。できる方法を必死で探し、プレッシャーを受けながらもそれを実行に移している社員の方には感謝するばかりです。
こうした社員は、自らが主(あるじ)となって仕事を進めています。できる方法を探すとき、頭の中では、本人が仕事の主(あるじ)となり、仕事をコントロールしています。主(あるじ)は、仕事をコントロールするために、あらゆる角度から仕事を分析し、課題を見つけ、それを解決することに余念がありません。自らが主(あるじ)となって仕事を進める人は、仕事に振り回されません。
また、主(あるじ)は仕事に責任を持っているので、仕事の隅々まで把握しようと努力します。仮に、自分が把握していないことを誰かから質問されたとしても、「分かりません」と言って終わることはなく、すぐに確認することを怠りません。
こうした人は、目の前の仕事に真正面から向き合い、夢中になって取り組み、成功も失敗も体験し、次につなげることができます。
私は、皆さん全員に挑戦する社員になってほしいのです。「できない理由を述べる人」ではなく、「できる方法を探す人」になってください。
過去の経験に基づく自分の価値観だけで仕事を考えて、挑戦することを避けないでください。与えられた仕事の中から自分ができるものを選ぶのではなく、少し背伸びをしてでも、難しいことに挑戦してください。そして、ぜひ仕事の主(あるじ)になってください。
会社は、挑戦する姿勢を評価します。実行したことを評価します。次につながる失敗を評価します。そしてなにより、自ら挑戦する姿勢を表明し、周囲を巻き込み、挑戦の熱意で会社全体を包んでくれることを評価します。
以上(2023年3月)
pj16519
画像:Mariko Mitsuda