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早いもので、2025年も半分以上が経過し、夏真っ盛りの8月となりました。2025年は巳年ですが、巳年は「古い皮を脱ぎ捨て、次のステージにステップアップする転換点」と言われます。1月には米国のトランプ大統領再就任、石破首相の施政方針演説などがありましたが、果たして次のステージへステップアップするきっかけとなっているのでしょうか。
2025年の上半期に何が起きたのか。名言・迷言とともに振り返ってみましょう!
1月:トランプ大統領再就任! 日米関係の今後は?
1)ドナルド・トランプ氏が第47代米大統領として再就任
(*)The White House「Inaugural Address」(2025年1月20日)
米国の第47代大統領に、共和党のドナルド・トランプ氏(以下「トランプ大統領」)が就任しました。就任演説で、トランプ大統領は「アメリカの黄金時代がいまから始まる」と述べ、バイデン政権の政策から大幅に転換しました。
何かと話題のトランプ大統領ですが、足元の7月22日には、関税措置をめぐる日米交渉について合意が成立しています。
2)石破内閣総理大臣が施政方針演説
(*)首相官邸「第217回国会における石破内閣総理大臣施政方針演説」(2025年1月24日)
日本の第103代内閣総理大臣の石破茂氏(以下「石破首相」)が施政方針演説を行い、その中で、故・堺屋太一氏の「楽しい日本」という言葉を引用しました。楽しい日本とは、「今日より明日はよくなる」と実感できる国家とされています。
トランプ大統領と同様に何かと話題の石破首相ですが、足元の7月20日投開票の参議院議員選挙において、自由民主党は歴史的な大敗を喫してしまいました。
2月:OpenAIとソフトバンクが提携。AIは次のステージへ!
1)OpenAIとソフトバンクが、最先端AIの開発・販売について合意
(*)ソフトバンクニュース「OpenAIとソフトバンクグループが提携。企業向け最先端AI『クリスタル・インテリジェンス』を世界に先駆け日本で提供へ」(2025年2月5日)
ChatGPTで知られる米国のOpenAIとソフトバンクが、最先端AI「クリスタル・インテリジェンス(Cristal intelligence)」の開発・販売に関するパートナーシップを発表しました。クリスタル・インテリジェンスには、AIが学習したデータがその企業専用に最適化され、他社に利用されないという特徴があります。
ソフトバンクの孫正義氏は、近い将来訪れるAGI(汎用人工知能)やASI(人工超知能)の世界に向けて、一気に開発を進めていきたいと強調しました。驚くべきスピードで進化するAIの動向から目が離せません。
2)山西利和氏が競歩の世界記録を更新
第108回日本選手権・男子20km競歩で、愛知製鋼の山西利和氏が1時間16分10秒で世界新記録をマークしました。世界記録の更新は10年ぶり! 山西氏は2024年大会で失格となり、悔しい思いをしましたが、その経験をバネに今回の大会優勝を勝ち取りました。
「常にどちらかの足が地面についていなければならない」「地面に足が着いている間は、膝を曲げてはならない」など、シンプルなようで奥が深い競歩の世界。山西氏をはじめ、日本人の今後の活躍に期待が集まります。
3月:東日本大震災から14年……被災地の人々の思いは?
1)東日本大震災から14年
(*)福島県「福島県知事メッセージ『2025年3月11日のメッセージ』」
日本国内で観測史上最大規模、世界でも4番目の規模の地震とされる東日本大震災(2011年3月11日)から14年が経ちました。福島県知事の内堀雅雄氏は、犠牲者や遺族の人々に哀悼の意を示すとともに、福島県が2026年に150周年を迎えることに言及し、「未来図に彩りを加えながら、明るく豊かな福島県を築いていく」と述べました。
最近も、7月30日にロシア極東のカムチャツカ半島の沖合で発生した巨大地震がニュースになりました。いざというとき、家族や従業員を守れるよう、常日ごろからの備えを欠かさずにおきましょう。
2)第97回アカデミー賞で「ANORA アノーラ」が作品賞など5冠
(*)各種ニュースサイトなど
米国で第97回アカデミー賞の授賞式が開かれ、「ANORA アノーラ」が作品賞をはじめ、主演女優賞や監督賞など5つの賞を受賞しました。監督のショーン・ベイカー氏は、コロナ禍以降、多くの映画館が閉鎖され、今なお減り続けていることに言及し、「映画を見るという素晴らしい伝統を、これからも守り続けたい」と強調しました。
7月現在、日本でも「国宝」「鬼滅の刃」などの映画が世間を賑わせています。昨今は動画配信サービスが普及し、映画館から足が遠のいている人も少なくありませんが、劇場ならではの臨場感など、映画館の魅力にも改めて目を向けたいところです。
4月:大阪・関西万博が開幕! 日本での万博開催は20年ぶり
1)大阪・関西万博が開幕!
(*)大阪・関西万博ウェブサイト「EXPO PLL Talks」
大阪・関西万博(EXPO2025大阪・関西万博)が開幕しました。テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現するためのコンセプトとして、「未来社会の実験場(People’s Living Lab、PLL)」を掲げています。
日本で万博が開かれるのは2005年の愛知万博(愛・地球博)以来、20年ぶりです。それぞれ趣向を凝らした海外パビリオンや、新しい外食のあり方を探る「ORA外食パビリオン」など見どころは盛りだくさん、開催は10月13日までなので、ぜひ足をお運びください。
2)フランシスコ教皇が脳卒中・心不全で死去
(*)NHK「ローマ教皇訪日~被爆地へのメッセージ」(2019年11月)
2025年4月21日、フランシスコ・ローマ教皇が脳卒中・心不全のため亡くなりました(享年88歳)。教皇は長年平和のための活動に尽力され、2019年には来日して被爆地の広島や長崎でスピーチを行い、上記の通り核兵器の廃絶を訴える言葉を述べています。
新教皇には、米国出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が選ばれ、レオ14世と名乗ることになりました。米国出身の教皇が誕生するのは初めてのことです。時を同じくして公開されていた映画「教皇選挙」も話題となりました。
5月:大臣更迭されるも、米価は低下基調
1)前農林水産相の庶民からは理解できない感覚?
(*)各種ニュースサイトなど
前農林水産相の江藤拓氏が佐賀市内で行われた政治資金パーティーにおいて「コメは買ったことがありません」との発言をして物議を醸し、その後、釈明をするも更迭されることとなりました。米価が高騰して庶民の家計を圧迫する最中の迷言(?)でした。
江藤拓氏の後任となる農林水産相は小泉進次郎氏です。政府は随意契約による政府備蓄米の放出などの対策を加速させ、注目を集めました。そうした効果もあってか、スーパーで販売される米の価格は値下がりが続いています。
2)俳優のトム・クルーズ氏が来日記者会見
(*)各種ニュースサイトなど
トム・クルーズ氏が、主演映画「ミッションインポッシブル/ファイナル・レコニング」のために3年ぶりに来日しました。クルーズ氏は記者会見の中で、「挑戦に対するあなたのエネルギーはどこからくるのか、高いモチベーションをどうやって維持してきているのか」と問われたとき、「私が挑戦し続ける原動力は、映画に対する絶対的な情熱と愛」という趣旨の発言をしました。
こうした原動力があるからこそ、クルーズ氏は「どんなことがあっても、どんな大きな挑戦でも、私は決して諦めません」と続けました。
6月:巨星墜つ ミスタープロ野球 長嶋茂雄氏
1)長嶋茂雄氏が肺炎で死去
(*)読売ジャイアンツ公式ウェブサイト「長嶋茂雄終身名誉監督が死去」(2025年6月3日)
野球界の枠を超え、戦後、日本の象徴の一人として国民的な敬愛を集めた「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄氏が、肺炎のため亡くなりました(享年89歳)。
1974年の現役引退セレモニーの際の「我が巨人軍は永久に不滅です」は、今でも語り継がれる名言と言えるでしょう。この言葉には、読売ジャイアンツへの深い愛情、自身がその一員であったことへの誇り、そして、ファンへの感謝の念が凝縮されています。
2)日本製鉄が米国の鉄鋼大手であるUSスチールの買収を完了
(*)各種ニュースサイトなど
日本製鉄によるUSスチールの買収がトランプ大統領によって承認され、USスチールは日本製鉄の完全子会社となりました。その記者会見で、日本製鉄の橋本英二会長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の買収の効果を改めて強調しました。
政治問題化した同事案ですが、双方にもたらす価値を丁寧に確認していった結果、合意に至ったとされます。その後、橋本氏は各種メディアからのインタビューで、USスチールなどにおける生産を拡充し、世界での生産量を「1億トンに増やす」と話しています。
以上(2025年8月作成)
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画像:日本情報マート