皆さんは、上司や取引先様から「ちょっと難しいな」と思うことを頼まれる機会はありますか。「そういった機会がまったくありません」という人は、日ごろの言動を見直してください。すでに、面倒なことや難しいことを、よく頼まれるという人は、こうした頼まれごとについて、これからもしっかりと応えてください。

人は、本当に面倒なことや難しいことは、信頼している相手にしか頼まないものです。逆にいうと、そうしたことを頼まれているということは、相手から信頼されている証拠であり、非常に喜ばしいことなのです。

このことを友人関係に置き換えて考えてみてください。親しい友人には、面倒なことや難しいことでも、申し訳ないと思いつつも、お願いできるものです。場合によっては「お願い」でなく、「相談」かもしれません。こうしたお願いや相談を受けた友人は、「自分は頼りにされている」と感じるでしょう。頼りにされていることが分かるからこそ、「仕方ないな。一肌脱ぐか」となる訳です。

こうした関係はビジネスでも成り立っています。ですから、上司に面倒なことや難しいことを頼まれたときは、上司が自分を信頼しているのだと理解し、笑顔で「はい、分かりました」「はい、やってみます」と答えてください。

もし、頼まれた仕事の進め方がイメージしにくい場合には、「はい」と答え、その後に「もう少し詳しく教えてください」と指示を仰ぎましょう。

上司は部下の能力を、皆さんが思っている以上に分かっています。だからこそ、性格が素直で粘り強い部下や仕事のできる部下に面倒なことや難しいことを頼むのです。

相手が社外の人でも、これは同じです。仮に、取引先様があなたに難しいことを頼んできたとしたら、それは取引先様があなたの力量を認めていることの証です。まずは、しっかりと話を聞いてあげてください。

仕事ができるといわれるビジネスパーソンは、相手の期待に応えることがとても大事であることを知っています。だからこそ、相手から面倒なことや難しいことを頼まれても、それに応えるように努力するのです。

皆さんが面倒なことや難しいことを引き受けるようになれば、次の機会には、相手からもっと高度なことを頼まれるようになります。そんなときでも「それは大変だ」と思わないでください。これは相手とより強い信頼が築けるチャンスと思ってください。

程度の差こそあれ、ビジネスはギブアンドテイクです。面倒なことや難しいことを頼まれ、それに応え続ける人は、いつの間にか、自分が困ったときに頼む相手がたくさんできています。こうした活きた人脈はビジネスパーソンの宝です。

最初は簡単なことで構いません。人から頼みごとをお願いされるようになりましょう。信頼が強まれば、いずれ面倒なことや難しいことを頼まれるようになります。そして、それに応えていくことで、自分自身にも、面倒なことや難しいことを頼むことができる人脈が築かれていくのです。

以上(2022年11月)

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画像:Mariko Mitsuda

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