2024年5月、りそなCollaborare事務局は経営者213人に、法人向けのWeb口座開設に関するアンケートを行いました。
このアンケートでは、Web口座開設(法人口座)をしたことがあるかどうか、Web口座開設をした理由、Web口座開設をしてみての感想などを確認しました。それによると、約40%の経営者が「Web口座開設をしたことがある」と回答しています。
一方、Web口座を開設していなかったとしても、「開設できるならしてみたい」「メガバンクがWeb口座開設をしたら開設する」と回答した人もいて、デジタル化に、ある程度は積極的なことがうかがえます。
今後、経営者の方がWeb口座開設の手続きをする上で、ご参考になりましたら幸いです。
調査概要
- 調査時期:2024年5月8日〜5月10日
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査対象:経営者・役員
1 回答した経営者の年代
今回、年代についても質問してみました。アンケートに答えた経営者の年代として一番多いのが60代(39.0%)、次いで50代(26.8%)、三番目に多いのが70代(22.5%)と、50代~70代の経営者が約88%を占めています。
一方、20代の経営者の回答は0、30代は3.3%、40代は7.0%と少なくなっています。Web口座開設はデジタル分野ですので、年代によってはアンケート結果も変わってくるかもしれません。次章から今回の調査結果を見ていく上で、年代もご参考になりましたら幸いです。
2 Web口座開設をした経験
Web口座開設をした経験については、「したことがある」経営者は38.0%、「したことがない」経営者は61.5%でした。
3 Web口座開設をした理由
Web口座開設をした経営者にその理由を聞いたところ、「便利そうだから」の79.0%が最も高く、「スピードが速そうだから」の51.9%が続きました。
また、その他の回答としては
- PayPayの売上金のため
- ポイントをためるため
- ECサイトのため
などの意見がありました。
4 Web口座開設をした際に使用したデバイス
Web口座開設をした際に使用したデバイスについては、「会社のパソコン」の69.1%が最も高くなっています。次いで「自宅(個人)のパソコン」が37.0%、「スマートフォン」が17.3%という結果でした。
5 Web口座開設をしてみての感想
Web口座開設をした経営者の感想としては、「便利」の69.1%が最も高く、「スピードが速い」の48.1%が続きます。
一方、「意外と手間がかかる」と回答した経営者は33.3%、「使い勝手が良くない」と答えた経営者は6.2%となっています。
また、その他の回答として「社内でできる」という感想も挙げられました。
6 「意外と手間がかかる」「使い勝手が良くない」と感じた理由(複数回答)
設問5(Web口座開設をしてみての感想)において「意外と手間がかかる」「使い勝手が良くない」と答えた経営者のうち、その理由として一番多く挙げられた意見は「郵送があって面倒だから」で15件(50.0%)、次点で「金融機関のサポートが手薄だと感じたから」の12件(40.0%)、そして「申込書の記入方法が分かりにくいから」の8件(26.7%)が続きます。
「不明点などをどこに問い合わせていいか分からない」「問い合わせた際のリアクションが良くなかった」「ファイルの添付方法が分かりにくい」などの意見もありました。
7 Web口座開設について、改善してほしい点
Web口座開設について、改善してほしい点を聞いたところ、次のような回答がありました(表現については、りそなcollaborare事務局で一部変更している部分があります)。
- セキュリティ対策のためか、複雑になりすぎている
- アプリで簡単に使えたら良いのに、と思う
- もっと単純明快なシステムが良い
- 利用履歴が見づらい
- サイトの使い勝手があまり良くない
- 個人口座のように簡単に作れるようにしてほしい
- 必要な書類の種類が多すぎる
- 証明書の提示がもっと簡単になればいい
- 暗証などが簡便化すればいいと思う
- すぐつながるコールセンターが欲しい
- すべての問い合わせ手段への対応が良くなるように改善してほしい
(注)アンケートを基に抜粋しました。
8 Web口座開設をしなかった理由
Web口座開設をしなかった理由については、「対面のほうが信頼できると思うから」の27.5%が最も高く、次点で「Web口座開設があることを知らなかったから」「なんとなく不安だから」(ともに19.8%)が並びます。「知らなかったから(オレンジ色の横棒)19.8%」は、知っていればWeb口座開設をした「もったいない層」かもしれません。
また、その他の回答としては
- 口座を開設する必要がないから
- 経理の者が対応できないから
- 会社と銀行の窓口が近いから
- 銀行担当者が定期的に会社に来るから
などの理由がありました。
9 Web口座開設、どうしたら活用できる?
「Web口座開設がどうなれば(あるいはご自身の状況がどう変わったら)活用すると思いますか?」という設問に対しては、以下のような回答がありました(表現については、りそなcollaborare事務局で一部変更している部分があります)。
- もっと便利になれば活用する
- 新たに口座が必要になれば活用する
- メインバンクで活用するようになれば開設しようと思う
- 他社で活用するところが多くなったり、指定口座となったりした場合は活用したい
- セキュリティ対策が万全であれば活用したい
- 経理の担当が対応できるようになれば活用したい
- 銀行の担当営業がこまめに案内してくれれば活用したい
- 銀行などが近くにない土地に会社が移転したら活用したい
- ポイントなどの特典が多ければ活用したい
- Webのほうが優遇されるようになったら活用したい
- 免許証やマイナンバーカードのみで開設ができるようになれば活用したい
- (すでにWebで口座を開設している経営者の方から)もっと積極的にWeb口座開設ができることをアピールしたほうが良い
- 口座開設の際にWeb口座開設の仕組みを知っていれば、或いはサービス自体が開始していたら使用していたと思う
- 個人用の口座ならともかく、対人抜きで会社の口座を開設するなどありえない
(注)アンケートを基に抜粋しました。
10 Web口座に期待することは?
「Web口座に期待することはなんでしょうか?」という設問に対しては、以下のような意見がありました(表現については、りそなcollaborare事務局で一部変更している部分があります)。
- 送金手数料を無料にしてほしい
- 手数料を極力安くしてほしい
- 手数料のシステムを明確にしてほしい
- 海外取引先へ送金する際の手続きが簡便化したり、早くなったりするといいと思う
- 時間にとらわれない取引ができるようになってほしい
- セキュリティ対策を万全にしてほしい
- 簡単な手続きで利用可能になってほしい
- マイナンバーのみで手続きができるようになってほしい
- 入金や振り込みが即座に分かるようになればいいと思う
- パスワードをもっと短いものにしてほしい
- 会計システムと連携できるようになってほしい
- その日に開設してその日に使えるようになれば良いと思う
(注)アンケートを基に抜粋しました。
11 Web口座開設と併せて金融機関に相談したいことは?
「Web口座開設と併せて金融機関に相談したいことはありますか?」という設問の結果、「相談したいことがある」は20.2%、「相談したいことはない」は75.6%、「答えたくない・分からない」は4.2%という結果になりました。
12 Web口座開設をする際に金融機関に相談したい内容
設問11「口座開設と併せて金融機関に相談したいことはあるか?」で「相談したいことがある」と回答した方の回答の詳細です(表現については、りそなcollaborare事務局で一部変更している部分があります)。
- (Web口座開設で)分からない部分があるのでサポートやレクチャーをしてほしい
- 手数料について相談したい
- 融資について相談したい
- (Web口座の)お得な利用法について相談したい
- トークンについて相談したい
- トラブルがあった際の対応について相談したい
- 迷惑メールへの対応について相談したい
- ローン金利について相談したい
- 経営支援について相談したい
- 内部保留について相談したい
- 手形対応について相談したい
- 給与について相談したい
- 資金の運用について相談したい
- 助成金、低利無担保融資について相談したい
- EC売上の入金口座について相談したい
(注)アンケートを基に抜粋しました。
13 Web口座開設と併せて「あればいいな」と思うサービス
「Web口座開設と併せて“あればいいな”と思うサービスがあれば教えて下さい」という設問に対しては、以下のような意見がありました。(表現については、りそなcollaborare事務局で一部変更している部分があります。)
- ポイントがたまるサービス
- ポイント間の連携
- 最新の金融情報の案内
- 借り換えなどの相談、経営者保険等の案内
- 手数料の引き下げ
- 手数料無料
- 返済の月別明細書作成サービス
- 借り入れや返済の相談時に、必要書類を事前送付するサービス
- Webショップ等の連携方法の案内
- 融資や借り入れの支援
(注)アンケートを基に抜粋しました。
14 最も利用する金融機関
アンケートに答えた経営者が最も利用している金融機関についての設問です。
利用者が一番多いのは都市銀行で35.7%、次点が地方銀行で31.5%、その次に使用されているのは信用金庫で15.5%という結果でした。
「ネット銀行」は2024年度版ではじめて設置した項目ですが、全体の約1割程度の人がメインバンクにしているという結果が出ています。経営者の間でもネットでの金銭管理が浸透しはじめているようです。
15 メインバンク/サブバンクを決めるポイント
メインバンク/サブバンクを決めるポイントについての設問です。一番多い理由は「ATM、支店が近くにある」で43.2%、次いで「安心感・信頼感がある」が20.7%、「手数料の安さ」「対応がスピーディー・丁寧」はともに7.5%という結果になりました。
その他の回答として、「現在までの取引実績」を重要視しているという意見もありました。
16 銀行や信用金庫など以外で持っている口座
最後に、銀行や信用金庫以外で持っている口座についての設問です。
一番多かったのは「持っていない」の45.5%、次いで「証券会社の口座」の38.5%、電子決済口座を持っている方は16.9%、FXの専用口座を持っている方は3.3%でした。
なお、個人事業主編として、「2024年度版_個人事業主201人に聞いた『Web口座開設調査』」も公開しています。
以上
※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2024年5月23日時点のものであり、将来変更される可能性があります。
※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。
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