1 事務用品費を削減せよ!

このシリーズでは、架空のサクゲン株式会社を舞台としたコスト削減の取り組みを、シミュレーション付きで紹介しています。今回のテーマは「事務用品費」で、コスト全般の削減シミュレーションは以下からエクセルをダウンロードしてください(ウェブで閲覧の場合に限ります)。ダウンロードしたエクセルに、御社の数字を入力すれば使うことができます。

こちらからダウンロード

 

事務用品費の削減は、多くの社員にとって身近で分かりやすいテーマですが、削減効果は小さくなりがちで、これを追求しすぎると「やれやれ」と疲弊してしまいます。適度に実行することが大切です。

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2 事務用品費の削減方針

製造部長と管理部長が、事務用品費の削減方針について話し合っています。

製造部長:事務用品費の削減方針をまとめよう。まずは思いつく削減方法を挙げていこうか。

管理部長:それなのですが、事務用品は1つ1つが安価なので、削減に取り組んだとしても大きな効果は出ないと思います。それに細かすぎるので、社員のモチベーション低下も心配です。

製造部長:いやいや、事務用品費の削減は社員全員で取り組みやすい。コスト意識を定着させるのにはもってこいだ。

管理部長:なるほど。そういう狙いですね。それなら、通信販売や100円ショップの利用が挙げられると思います。ただ、購入方法や購入先がバラバラになると煩雑になります。

製造部長:それはそうだな。むしろ業務負担が軽くなる方法を考えよう。毎月の発注日を決めてまとめ買いにするのはどうだろう。

管理部長:ウチ(管理部)としても、そうしてもらえるとありがたいです。あと、これまでも何度か話題に上がっていましたが、プリンターのトナーを純正品からリサイクル品に変えてみるのはどうでしょう。昔と比べて品質が良くなって、故障しにくくなっているそうですよ。

この会話を受けて、削減方針を次のようにまとめました。

事務用品費

  • 定  義:オフィスで使用する消耗品などを購入する支出
  • 支出内容:文具・コピー用紙・トナーなどの購入費
  • 削減方針:購入方法や購入単位、購入物を変える
  • 削減目標:40万円

さらに、提案があった削減方法のアイデアの取り組み難易度を決め、1年間の削減効果と削減に必要となる追加支出をシミュレーションして、取り組みの優先順位を決めました。具体的には次の通りです。

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なお、図表中の削減効果は、サクゲン株式会社のシミュレーション条件によるものです。実際の効果は会社ごとに異なります。

3 事務用品費の削減シミュレーション

1)プリンターにはリサイクルトナーを使用する(難易度:低)

プリンターのトナーは純正品ではなく、使用済みのカートリッジを再利用したリサイクル品を使うことで、コスト削減につながります。

サクゲン株式会社の日本橋オフィスでは、純正トナーをブラック1本当たり4万5000円、3色1本当たり5万7000円で購入し、年1回のペースで交換しています。

ブラック1本当たり1万8000円、3色1本当たり1万9000円のリサイクルトナーに変えた場合、1年間の削減効果は次のようになります。

14万円≒(4万5000円+5万7000円×3色)-(1万8000円+1万9000円×3色)

なお、リサイクルトナーの使用は、プリンターの故障時に、メーカー保証の対象外となるケースがあるため注意が必要です。

2)通信販売などを利用して購入する(難易度:低)

事務用品は、カタログやインターネット通販を利用し、箱単位などで購入することで、コスト削減につながります。

サクゲン株式会社では、1本170円のボールペンを購入しており、日本橋オフィス勤務の7人は1人当たり年6本、本社工場勤務の43人は1人当たり年2本を消費しています。

インターネット通販を利用し、ボールペン本体ではなく、1本80円の替え芯(10本入り)を購入するように変えた場合、1年間の削減効果は次のようになります。

1万円≒(170円-80円)×(7人×6本+43人×2本)

1回の注文が一定金額を超えると、送料が無料になるサービスも多いため、他の商品と購入時期を合わせるとよいでしょう。

4 事務用品費を削減するときのポイント

1)社員にとって身近だからこそ削減を徹底する

事務用品はそのほとんどが安価であり、削減効果も少額です。さらに、コピー用紙の裏紙を使うなど地道な取り組みが多く、消極的な社員が出てきます。しかし、社員にとっては身近な支出であり、削減に取り組みやすいコスト項目です。事務用品の1つ1つにコストがかかっていることを社員に意識させるためにも、取り組む価値はあります。

2)コスト削減に取り組む前に実態を把握する

事務用品費を削減する際は、必要なものを必要な数量だけ使うという「使用量の適正化」が重要です。使用実態を把握することで、事務用品の適正な使用量やコスト削減の目標などを、客観的な数値として示せます。

着手に当たっては、次のようなフローで進めるとよいでしょう。

  1. 経費請求書や事務用品の購入明細から、「どの部門で、どの事務用品が、どれだけ使われているか」を把握する
  2. 各部門の事務用品請求担当者にヒアリングをして、それぞれの事務用品の使用実態を詳細に把握する
  3. 部門間での比較などを行う
  4. 部門ごとに妥当と考えられる適正量を算出する

3)事務用品の在庫は、各社員のデスクの中にもある

同じ部署の社員同士でも、ボールペンなどの使用頻度は異なり、場合によっては全く使っていない事務用品がデスクに眠っている場合があります。在庫を確認するときに、未使用品や使用頻度が低いものは、一旦回収するとよいでしょう。

また、在庫を確認する上でも、整理整頓の徹底はコスト削減に欠かせません。整理整頓ができていないと、まだ使用できる事務用品があるにもかかわらず、新品を買ってしまうことなどがあります。清掃時、社員にデスク周辺や棚も整えるように徹底しましょう。

4)頻繁に使用する事務用品のコストを「見える化」する

身近な事務用品について、どのくらいのコストがかかっているのかを社員に実感してもらうことで、コスト意識を植え付けることにつながります。

例えば、

「1枚当たりのコピー代:5円、1日の平均コピー枚数:500枚、1日当たりの平均コピー代:2500円です。無駄なコピーを削減するようご協力ください」

と書いた紙をコピー機に貼り付けるなど、社員が具体的な数値を把握しやすいようにするとよいでしょう。

なお、事務用品費以外のコストの削減アイデアは、それぞれのリンクから見ることができます。

以上(2025年2月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

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